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戦前戦後

2. アルミ枠目覚 【津田時計製造所】

アルミ枠目覚

メーカー 製造年代 大きさ 仕様・備考
株式会社津田時計製造所(名古屋市外守山町小幡) 昭和21年頃? 本体直径11cm 毎日捲き、ケース・裏蓋ともにアルミ製、紙文字板

津田時計は、「斯界の最高水準を行く 津田の掛時計」のキャッチフレーズで戦後の少しの間、 目覚しと掛時計を製造していたメーカーのようです。
昭和28年の名古屋時計業界沿革史という本に、 「昭和21年津田美之助が、東郊守山町で津田時計製造所を創立して、目覚まし時計製造を始めたが、 最近では掛時計の製造も始め、株式会社に組織を変更した。」とあります。 当時の広告を見ると26年は株式会社になっていたことがわかります。 時計会社としていつまで存在したかは不明ですが、おおよそ昭和30年頃までと考えます。

この目覚ましは、なぜかまったく同じものを三つ同時に入手しました。どれも不動の状態で所謂「ガラ」扱いでした。 動かない原因はそれぞれ違いますが、何れも古いため機械が錆びたりしているものの、実際に使われた形跡が ないのです。たぶん、時計屋が一ダースとかで仕入れて調子の悪いものを返品し忘れてそのままになっていたのでは?と思います。

ケースはオールアルミで前面は褪色して小豆色になっていますが、内側を見たらアメリカンチェリーのような赤でした。 ケースだけでなく、裏蓋の止めネジ、針廻し、目安廻し、取っ手、ゴトク、リン台、リン台ネジ、 と徹底的にアルミが使ってあります。だから軽い。でもアルミのネジはすぐに傷んでしまうのでイタダケマセン。
写真の時計は目安カムクサビが欠品して目覚しが鳴らなかったのと、秒針が文字板に接触して時計が動かない という簡単な故障だったのですぐに元気になりました。 残る二つも時一番コハゼビョウが欠品してたりして手間がかかりましたが根性で修理完了しました。

アルミはや〜めた!

アルミの後継機種?

上の時計の後継機種と思われるものです。
ケースにはじまり、いたる所に使われていたアルミが、全部鉄や真鍮に変更されています。 ゴトクも鉄製、文字板も金属製で夜光になり、針の形状も変わってこれといって特徴の無い時計になっています。 部品の精度向上は特に見うけられません。

夜光黒文字板

MADE IN OCCUPIED JAPAN

黒文字板ですが、目安針や秒針が黒のままです。やっつけ仕事だなー。

「GINGHAM:ギンガム」ペットネーム付

アルミ文字板にGINGHAMの文字

哀愁漂う?フニャフニャした形の地板

戦後の輸出品として好評だったギンガム(先染め糸と晒糸を組み合わせた平織りの縞木綿)にあやかってつけた名前か、 あるいは別の意味があるのかわかりませんが、六時上に津田時計の商標の替わりに「GINGHAM」という名前がついています。

当時の広告

「時計とレンズ」昭和26年12月号より

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