1. 黒柿分銅引きスリゲル 【国産箱】
メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
---|---|---|---|
機械ドイツ製、 箱国産 |
明治時代 |
全長 122cm 文字板 6.5吋 |
分銅引き、黒柿総彫、小秒針付 |
分銅引きスリゲルを欧米では一般にヴィエンナレギュレーター(VIENNA REGULATOR)と呼んでいます。 その名の通り、ルーツはハプスブルク帝国の首都、ウイーンの文化が生んだ時計で、 時代は18世紀末より20世紀初頭までで、生産国はオリジナルのオーストリアとその周辺製、 そしてそれのコピーのドイツ製、アメリカ製などがあります。
ところがどっこいひとつ忘れちゃーいませんか〜?と言うのがコレ! ドイツ製の機械を国産の箱に入れた分銅引きスリゲルで和製ヴィエンナともいえる時計です。 「日本出来のヴィエンナレギュレーターがあることを本家オーストリア等外国の方に知って欲しい」とここに登場致しました。 写真で分かりますように背板は正真正銘の欅を使ったり、黒柿など日本人好みの建具材を使ってるのがみそですが、 作り方や大きさも全然違います。欧米のものと比べるととてもスリムなのです。
どうしてか分かりますか?
それは、日本の柱に掛けたものですから、柱のサイズに関係していると思われます。
勿論ウサギ小屋が多いせいも有るんでしょうが・・・
相対的に日本の伝統建築はスリムで優しいのが特徴です。
ごつい外国製の時計を持ってきても日本の家には合わないことを先人はちゃんと見抜いて、日本人好みの時計を作り上げたのでしょう。
日本製のデザインは素晴らしいですね。
特に総彫なども日本の欄間や仏壇の細工師の手になるデザインも多く、やはり和魂洋才のデザインだなーとしみじみ感じられます。
古いヴィエンナは近年アンティ−クとして輸入された物が沢山出回っているようです。
良い物も多いですが、中にはいい加減な修理をされたものとか、箱だけ新しいものとか、寄せ集めとか、
オリジナルには程遠い物も散見されます。よくオリジナルを勉強してよい物をゲットしましょう。
また、ヴィエンナレギュレーターにも置き時計同様複製品(リプロ)が有り、外国ではきちんと複製品として売られてるものが
日本に入ってくる段階でアンティ−クに化けて売られることも有るようです。
リプロは分かってきちんと買えばそれなりに値段も安くていいのですが決して古い本物では有りませんのでその辺は注意しましょう。
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