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明治の時計塔

15. 服部時計店時計塔(銀座四丁目)

東京名所ノ内「銀座通り之真景」石版

大正6年11月20日印刷11月23日発行、39x54cm
画作印刷 東京市本所区向島中ノ郷七十四番地 浦島堂 浦野録次郎
兼発行者 東京市浅草公園五区三番地     浦島堂  浦野支店

大正時代の銀座尾張町交差点付近の石版画です。 服部時計店はこの後間もなく、建て替えのため壊されますので最後の姿です。 空には最新の飛行機や飛行船が浮かび、電車や自動車が行きかう賑やかな街並みを描いています。 犬が荷物をくわえて電車通を走り回っているのが御愛嬌。

服部時計店時計塔

明治27年9月、服部時計店は京橋区銀座4丁目の朝野新聞社の建物を買収して増築し屋上に時計塔を設置、 以後この時計塔は、東京の名物・銀座のシンボルとして有名になりました。 機械はスイスのコロン製で、時刻の数だけ自鳴する他に毎三十分毎に一打づつ自鳴する装置でした。

昭和初期には、この時計が夜の十二時を打つ鐘の音を合図にして、酒場やカフェーが一斉に表の明かりを消した・・・とのこと。 ちなみにカフェーとは、現代でたとえると喫茶店というよりはスナックや風俗店に近いものだったそうです。(余談)

エラー絵葉書

GINZA STREET TOKYO 銀座四丁目

大正8年5月

服部時計店が有る銀座の名所風景ですが画面に間違いが有ります、さてなんでしょう・・・?
絵葉書写真などで見慣れた銀座風景ですが、普通と左右の建物が逆の配置になっています。 反対側から撮ればこのようにも見えるのかと思いきや、なんか変です。 よく見ると電車の番号から、服部時計店の看板文字などすべて逆文字になっています。 そうです、写真に有りがちなエラー、裏焼写真です。

服部時計店の向かいに見える望楼付きの3階建て洋館は元の中央新聞社を買収して明治38年に開店した「山崎高等洋服店」です。 ショーウィンドウに大礼服や燕尾服などを陳列した高級洋服店で関東大震災で焼失してその後に三越呉服店(銀座三越)が進出します。 この時計塔付服部時計店の建物は新築の為大正10年に壊されますので震災直前のよき時代の風景です。 修学旅行の記念スタンプが押して有るように旅行土産に買われたものでしょうが当時も今も銀座4丁目はおのぼりさんにとっては聖地?ですね。 しかし、このように誰もが知っている?東京一番の名所風景に裏焼のエラーとは、それが又堂々と流通してる事が不思議で驚きです。 エラー切手、エラーコインなど、どの世界にもエラーものはつきものでこの絵葉書も回収漏れのエラー絵葉書でしょうか?。 時計塔も全体が綺麗に写ってる良い絵葉書です。困った?珍品です。

時計塔

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