18. 大和藤内(柳島工場製)
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| メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 | 
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| 精工舎 (東京市本所区柳島町) | 明治30年代初期 | 文字板十二吋 全高64cm | 八日持 打方付 ペイント文字板(張替え) | 
米国セス・トーマスのオフィスNo.2をコピーしたもので、精工舎では明治20年代から有る初期スタイルです。 最初「大型和藤内花ボン」と呼んでいたようで花の仲間だったので鋲打ちの間に金彩線が入ります。 明治40年代に入ると和籐内のシリーズに木地和藤内が追加になり、こちらの方がよりオリジナルのトーマスに近い鋲形や色彩となっています。
文字板と機械
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12吋ペイント文字板は、直角三角形断面の飾り環が付きます。紙文字板に貼り変わっています。
機械は、地板角、刻印なし、数取り車は上。 ガンギ車は打ち抜きなしの一枚板(板状ガンギ)で、 これは同年代の大型の振り竿の長い時計や6吋ボンボン機械を8吋ボンボンの箱に入れたものなど少量生産の製品にみられる特徴です。 例えばこの時計のような大型の時計は振り竿が長くなりガンギの歯の数が変わってくるので、専用の通常とは違うガンギ車を作る必要がありますが、 大型の掛時計は多量には売れない。 そこで、
- 数が少ないので外注先に依頼した。
- その逆で、通常品は外注部品を使っていたが、これだけ数が少ないので社内で製作した。(プレスの打ち抜き加工だけなので簡単)
- 外注先又は社内の別の時計部品(目覚し時計等)をそのまま流用した。
定かではありませんが、こんなことが想像できます。
振子室ラベル
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箱と掛金
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木地杢引きペイント、金彩、鋲打ち。
絵ガラス石版花柄貼。(明治35年カタログの和藤内8,10吋の絵ガラスと同じ)
掛金は2本釘肩張型。
カタログ図版
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和藤内 の名前の由来
和藤内という名は本来、『国性爺合戦』(こくせんやかっせん)という近松門左衛門作の人形浄瑠璃の主人公で、 のちに歌舞伎化され歌舞伎の演目としても有名。 中国人を父に、日本人を母に持ち、超人的活躍で明朝の復興に尽くす実在の人物、鄭成功(国姓爺)がモデル。 なお、和藤内とは、「和(日本)でも藤(唐、中国のこと)でも内(ない)」という洒落。 なぜこのような人物名が商品名に採用されたのか定かでは有りませんが、和藤内がハーフのヒーローであることから、 時計も(コピーですが)和でも欧米でもないという洒落でしょうか?
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