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精工舎 SEIKOSHA

26. 金縁中高合長(柳島工場製)

メーカー 製造年代 大きさ 仕様・備考
精工舎
(東京市本所区柳島町)
明治30年代後期〜40年代初期 文字板八吋
全高51cm
八日持、打方付、 ペイント文字板(鍵Sマーク、印刷)
メダル2枚白地黒文字ラベル

メダルラベルが貼られた初期のものではないかと思いますが正確な年代は記録もなく判定できません。

文字板は八吋、張り替えられていますがオリジナルは鍵Sマーク入りのペイント文字板です。
機械はそれまでの扇S、鍵Sラベルと同様な地板の角が丸いもので、数取車が下に付いたタイプです。 このメダルラベル時代から初めて地板の左下に鍵Sの大きな刻印が入っています。 機械の足は一つ穴タイプ、アンクル押さえはL形棒タイプ。
掛金は細長2本木ネジでその後もこのタイプが使われています。
ガラス絵はオリジナルのようですがカタログとは違った金彩鳳凰模様です。 ドアツマミはそれまでと同様なもの3つ山型です。

メダル2枚白地黒文字タイプの振子室ラベル

HIGH GRADE
EIGHT DAY
CLOCK
REGISTERED S TRADE MARK
MANUFACTURED BY
S E I K O S H A
TOKYO
GOLDMEDAL(メダル表) EXPOSITION DE HANOI(メダル裏)
AWARDED
BY
FRENCH
GOVERNMENT.

振子室ラベルは、白地に黒文字のラベルでベース状の飾り枠があります。 鍵Sのマークの左右のTRADE〇MARKの文字が、REGISTERED 〇 TRADEMARK(登録商標)に変ります。 住所はTOKYOのみ。 一番下にGOLDMEDAL、EXPOSITION DE HANOI の文字の下にメダルの表裏と思われる2枚のメダルと フランス政府による賞(ベトナムがフランス領インドシナであった為)の文字。 機械などの特徴からこの白地に黒のラベルがメダルラベルとして一番古いものではないかと見ていますが、 この白地ラベルは少ないようです。

機械

地板の左下に鍵Sの大きな刻印

メダルラベルの時計の時代順について

メダル2枚ラベル(明治30年代後期〜40年代初期)
時代順 振子室ラベル 機 械 ドアツマミ
@ メダル2枚
白地黒文字
下機械足 : 一本ねじ
アンクル押さえ : L字棒型
三ッ山型
A メダル2枚
黒地金彩
下機械足 : 一本ねじと二本ねじの両方ある
アンクル押さえ : L字棒型
三ッ山型
B メダル2枚
黒地金彩
下機械足 : 二本ねじ
アンクル押さえ : L字平板型
丸環ひょうたん型
メダル4枚ラベル(明治40年代初期〜大正初期)
時代順 振子室ラベル 機 械 ドアツマミ
C メダル4枚
黒地金彩
下機械足 : 二本ねじ
アンクル押さえ : L字平板型
6吋用機械が加わる
カモメ型

メダルラベルは、確固たる時代判定ができる資料がないため、使われた時期はおおよその推定にならざるを得ませんが、 メダルの種類と機械やドアツマミの特徴から、上記のように時代順を整理することができます。 @が古く、Cが一番あたらしいものです。(12インチの大掛時計はドアつまみに例外がある)
これ以降順にそれぞれの特長を持つ時計をいくつかご紹介します。

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