12. 第廿八號 中型花(柳島工場製)
メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
---|---|---|---|
精工舎 (東京市本所区柳島町) |
明治30年頃 |
文字板十吋 全長55cm |
八日持 打方付 手書き文字板 (左右TRADEMARKに鍵Sマーク、6時の上にEIGHT-DAY) 商標刻印ナシ機械 |
代表的なボンボンスタイルの時計です。
米国アンソニア社のオフィスNo.3をコピーしたもので、絵硝子時計の代表的な存在です。
国産ではこのタイプの時計に、各社とも「花」の商品名を使っています。
文字板は手書き文字板らしいアイボリー色で、手書きの特徴のレールやインデックスの上下の細い線が消えかかっています。
飾環は直角三角形型。
また文字板下部にはEIGHT-DAYと入るのが扇Sに移行する10吋の明治30年代前後からの特徴のようです。
機械は初期に似たもので商標刻印はありません。
振子室ラベルは太文字版、掛け金は一本タイプ、総合的に見て明治20年代から30年代への移行型といえるタイプです。
初期に似た商標刻印ナシ機械 |
太書体版ラベル |
鍵Sマーク十吋手書き文字板と掛け金
10吋手書き文字板
飾環は直角三角形型 |
掛け金木ネジ一本タイプ小判型 |
当時のカタログから
中型の文字板は以下のように移行したようです。
- 【明治30年前後】
TRADE(鍵S)MARK+EIGHT-DAY - 【〜明治末】
扇S+EIGHT-DAY
TRADE(鍵S)MARK+EIGHT-DAY
TRADE(鍵S)MARK
の併用時代 - 【大正】
TRADE(鍵S)MARK
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