7. S.Itoラベル金縁四ツ丸(柳島工場製)
資料 1 八吋
メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
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精工舎 (東京市本所区柳島町) |
明治28年頃 |
文字板八吋 全高49p |
八日持 打方付 商標刻印ナシ機械 手書き文字板 掛け金木ネジ一本タイプ |
精工舎の金縁四ツ丸にS.Itoラベルが付いたものがあります。
これは、浅草諏訪町の時計商 伊藤新之助が発明して明治25年6月1日に特許を出願し明治26年5月1日に
第1911号で登録された「金箔塗附法」を用いた金箔塗附ケースです。
「金箔塗附法」の目的は、普通の金箔押付法が有しない特殊な光沢を発し且つ変色しないこととあります。
(特許原文は下記の金箔塗附法の明細を参照してくだい)
このパテントは他のメーカーでも使われたと言われておりますので、 伊藤新之助は精工舎の職人ではなく、精工舎がパテントを買ったと考えられます。 「金箔塗附法」は明治26年に特許登録されているためS.Itoラベル付の時計は平野光雄さんの本では明治26年製と 断定されていますが実際はそれに近い年代と考えた方が無難なようです。
明治26年は精工舎が工場を石原町から柳島に移転した年で、柳島に移転してから数年の間精工舎の掛時計生産は飛躍的に向上し、 明治30年頃には精工舎は林時計・愛知時計を上回る日本最大の掛時計量産工場になりました。 いずれにしてもS.Itoラベル付は柳島工場に移転して間もない頃の製品とおもわれ、 精工舎の初期製品の特徴を捉えている貴重な遺品です。
振子室ラベル
機械
資料 2 十吋
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こちらは十吋文字板で全56cm、文字板は当時のままです。 背板に墨書きで中塩田村とありますが、現在では長野県上田市で、明治22年に本郷地区等が合併してできた村とのことです。
振子室ラベル
機械
特許第1911号「金箔塗附法」の明細
平野光雄さんの時計本の紹介
- 時計亦楽 昭和51年10月25日発行 青蛙房
- 時計閑話 昭和54年11月25日発行 グノモン社(1000部限定版)
いずれも絶版と思われますので古書店で探してください。
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