1. 山形両鈴目覚 【精工舎】
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メーカー | 製造開始年 | 大きさ | 仕様・備考 |
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精工舎 SEIKOSHA |
大正5年頃 | 本体直径11.5 p、文字板径三吋半 |
毎日巻き、目覚付 真鍮胴ニッケルメッキ枠(Brass Case Nickeled) 紙製文字板 金 ニ円十銭(大正5年精工舎カタログより) |
ひゃー、こんなんがあったんですね。ヘソ目の女王様といった趣です。 骨董市で発見、見つけた瞬間から握り締めて放しませんでした。(笑)
両鈴目覚は通常、ベルが時計本体にそれぞれ固定され、二つのベルを取っ手で繋いでいますが、これは、 普通のヘソ目用のものより若干小さめのベルが、御覧の真鍮製の鈴台に固定されていて、ベルは時計に対して宙吊り状態です。 鈴台は時計に一本のネジで固定されているだけなので、力をいれるとすぐにベルがおかしな方向を向いてしまいます。
一般のヘソ目の打ち玉は、丸い形をしていますが、これは二つの鈴を叩くためにハンマーの形になっています。 文字板6時下は、「MANUFACTURED BY SEIKOSHA,TOKYO,JAPAN」、大正5年の精工舎カタログにて確認できました。 古い時代の製品なのにゴトクは鋳物でなかったのが、ちょっと残念。機械は鍵S印なので通常サイズの機械です。 (扇印物は小さめの機械が入っています)
![]() ハンマー形の打ち玉 |
カタログ図版
![]() No.899
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![]() 第八百九十九号
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後から登場!扇印
![]() 文字板は扇印の商標 |
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商標刻印無しのSmall Movement |
こちらは、扇印の山形両鈴目覚です。
大正9年の輸出用カタログあたりから「”Fan” Mark Small Movement(扇印の小型ヘソ目機械)」がでてきます。
同カタログにはまだ扇印の山形両鈴目覚は出ていませんので正確な製造開始年は何時からかは不明ですが、
鍵S印より扇印の時代の方が新しいのは間違いないようです。
当時の資料はまだ見つかっていませんが、扇印商標の文字板、扇印用の小型機械で両鈴用の打玉付き、 鉄製の裏蓋、鉄製の鍵という組み合わせは扇印の特徴を捉えていますので、 扇印の山形両鈴目覚が存在したことは確かと思います。
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