11. 両鈴目覚 【THOMAS HALLER】
経年変化で砕けた部品 |
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メーカー | 製造開始年 | 大きさ | 仕様・備考 |
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Thomas Haller(ドイツSchwenningen) | 昭和初期頃 |
本体直径11.5cm 文字板径三吋半 |
毎日巻き、目覚付 真鍮胴ニッケルメッキ 紙製文字板 |
この時計は時々古い時計屋さんからデッドストックで発見されます。
上の写真の時計は、紙箱に入っていましたが保存状態が悪く錆が出ています。
下の時計は箱はありませんが、保存状態がとても良く、驚くほどのきれいさです。
入手時は、何れも調子が悪く、テンプはカチカチと動くのに長針・短針がガチガチに固まっていて動かず針がしばらくすると止まる、
長針がブラブラしている、目覚が鳴らない、という状態でした。
原因は時針車のパイプと日の裏カナの故障です。
右上の写真を見てください。通常は真鍮で出来ていますが、この時計の場合はこの部分だけが不思議な合金でできていて、
この合金は自然に変形したり亀裂が入って崩壊するのです。
おそらく時計屋さんで販売されていたときからこの症状がでて売り物にならずに売れ残ってデッドストックになったと思われます。
修理は部品を交換するしかありません。時針車と日の裏車ごと交換できれば簡単ですが、ちょうど良い部品を探すのは困難なので
時針車のパイプと日の裏カナだけを他の時計の部品を加工して作成し、交換します。難しくはありませんが、手間がかかりますので
この時計の昭和初期に作られたもののデッドストックを入手する場合はこの修理を覚悟してください。
こちらは外見は新品同様
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京都府 特免16.10.6と17.10.6 |
当時のカタログより(大正頃?)
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