14. 角形目覚 【メーカー不明】
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メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
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unknown Germany | 製造年代明治30年頃(推定) |
高 五寸 巾 四寸三分 |
毎日巻き、目覚付、 真鍮蓋ニッケルメッキ側 |
マークや刻印が一切ないので、メーカー不明です。 しかしながら、文字板の裏側には明治32年5月から大正10年の期間の修理履歴を複数確認できますので、 国産時計メーカーがまだ置時計を製造する技術がなかった時代におそらくドイツから輸入し日本国内に販売されたものであることを感じ取れます。
パッと見た感じの特徴は正面の飾り板が少数派の銀色であること。 ほとんどが金色に処理された薄い板に手作業やプレスで模様を付けたものですが、 この時計の板は写真10の通り分厚いものでこの板だけで200g以上あります。 材質は表面処理された様子がないにもかかわらず、125年以上経過しても酸化した様子なく、錆びもなく、色の変化が少ない安定した金属のように見えます。 美しい光沢を長期間に渡って保ち続ける特性があり古くから装飾品として用いられてきた金属といえば、錫(すず)ではないでしょうか。
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機械はメッキ処理されておらず文字板側だけ金ニスが塗られているもののそれ以外は真鍮地金そのままです。 それと文字板を固定するゴトクが鋳物製で二本のネジで固定するようになっていてこれも特徴的です。 このゴトクだけ見ても製造・加工に手間がかかったことが想像できますね。 角型置時計は明治から昭和にかけて50年以上作られてきたため今でもよく見ますが、 国産のそれとは違って製造初期の努力が感じられます。
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