3. 角形オルゴール GLOBE印 【高野金属品製作所】
メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
---|---|---|---|
合資会社高野金属品製作所 (名古屋) |
大正2年以降 |
高 五寸 巾 四寸三分 |
毎日巻き、 オルゴール付(曲譜 : 不明) 真鍮蓋ニッケルメッキ側 |
合資会社高野金属品製作所は高野小太郎が1913年(大正2年)に名古屋で初めて金属製目覚時計を生産するために設立した会社です。
へソ目、角目覚時計、角オルゴール等の製造に成功し販売しています。
この時計はグローブ印の製品で文字板に「GLOBE」とあります。機械の地板には刻印はありません。
精工舎製と比較して、外見的な特徴は次の通りです。
- 持ち手の支柱と持ち手が六角柱
- 裏蓋が盛り上がっている
- 機械地板の中央上部がY字形
そして気になるオルゴールは、やはりスイス製のようですが櫛歯に刻印がありました。
刻印は二コル・フレール社のものと似ているため、二コル・フレール社が1870年代に自社生産を中止した後に
他社(レピ、ベイカー等)製品を自社ブランドで販売していた頃のものとも考えられますが、これはあくまで推察です。
大正時代の奈良保険堂商報に「英語音楽入りオルゴール」とか、「静かな珍しき宜き音のする外国語」とか、まるで時計が英語で
歌いだしそうな広告がありました。オルゴールが英国製であるかのように宣伝していますが、スイス製オルゴールの輸入代理店が
英国に沢山有ったので英国製となっているのだと思われます。オルゴールのムーブメント自体はやはりスイス製のようです。
オルゴール調査協力:nattouさん
機械
機械正面(文字板側)ストッパーが風切り羽根を直接止める |
機械裏面(裏蓋側)地板に刻印なし |
オルゴール(後年の二コル・フレール社製 ?)と文字板
|
文字板の商標GLOBE |
当時の広告と商標
商標「GLOBE」の出願人は小菅甚右エ門となっていますので、 赤星時計が震災後に本社を東京浅草から名古屋へ移した後のブランドと考えられます。 高野がOEMメーカーとして製造し、赤星時計が供給を受けて販売していたということでしょうか。
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