18. ヘソ形目覚 【ヲロスヂバァク商会】
資料 1
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メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
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ヲロスヂバァク Orosdi-Back(仏) 横浜居留地168番(明治29年) | 明治30年頃 | 本体直径11.0 p |
毎日巻き、目覚付 真鍮胴ニッケルメッキ枠(Brass Case Nickeled) 紙製文字板 |
懐中時計における商館時計分野では名の知られた存在のヲロスヂバァク商会が取り扱ったヘソ目です。 今まで見たことがなかったためヘソ目も販売していたんだ・・・と改めて認識しました。 さて製造年代はいつなのかですが、 ヲロスヂバァク商会の商標はたくさん種類がありますが、このヘソ目の商標登録は1895(明治28)年で 日本国内での営業期間は明治28年から明治36年であったようです。
分解してみての感想です。 文字板には固定用の穴が複数開いていました。よって機械と文字板の組み合わせが一致していない可能性があります。(ヘソ目の宿命ですね) 機械は手がかりとなる刻印などは一切なく同じフランス商館のブルウル・フレーヤ商会のヘソ目とほぼ同じようです。 そして、ゴトクはブルウル・フレーヤ商会のそれより古いと思われます。さらにはドイツ商館のカールローデ商会が取り扱ったヘソ目と同様にMNの刻印が見られます。 これら全体としては時代はあっていると思うので、Orosdi-Backのサプライヤーはヨーロッパ全体にわたっていたこともあり所在地と機械の生産国が違っていても不思議はないかなぁと思ったり、 130年近い間には何度も修繕されているでしょうから、昭和の国産ぽい鈴がついていたり(写真は別のものに交換済みです)で本来の姿が正確にはつかめず、 テセウスの船、あるいはおじいさんの斧的な状態になっているのかもと思ったり・・・です、笑。
目安針の丸い部分は修理人の趣味なんでしょうか、後年にわざわざ切り欠きを入れてありました。 切りっぱなしが気に入らなかったので、ライターでブルースチールに焼き直しました。
資料 2
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筒胴タイプの個体をお持ちの方から写真を提供していただきました。 商標は同じものです。
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