21. 時打 Repeating Strike 【ANSONIA Tally-Ho】
Repeating Strike
ANSONIA Tally-Ho
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メーカー |
製造年代 |
大きさ |
仕様・備考 |
ANSONIA CLOCK CO.,NEW YORK , USA
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明治20年代
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本体直径11.0 p
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毎日巻き、時打のみの目覚なし、
真鍮胴ニッケルメッキ枠(Brass Case Nickeled) 、
紙製文字板
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見た目でヘソ目ジャンルに入れてありますが、目覚まし機能はなく時打ちだけです。
製造年代はこの手にしてはかなり古いほうで、精工舎が産声をあげて掛時計の製造を開始した明治25年頃ではないかと推測します。
文字板にはアンソニアの商標があり、裏蓋には「Tally-Ho:タリーホ」の商標があります。
Tally-Hoの商標登録は1879年(明治12年)で、登録者のHenry J. DaviesはAnsoniaの大株主の発明家で、1877年に同社の総支配人に就任したとのことです。
製造年代の根拠は、文字板裏の筆書きされた修理履歴です。
明治29年に川上村の〇〇和洋時計修理所にておそらく最初のメンテナンスをした記録があります。
裏蓋にもやはり川上村で再度メンテナンスされた書き込みがあります。
文字板の外周の6時下には、
ANSONIA CLOCK CO. SOLE MANUFACTURERS NEW YORK U.S.A
とあります。
Movement
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機械はひとつのゼンマイで時計と時打ち機構の両方を動かすのが特徴です。
ゼンマイは普通のヘソ目のものと比較すると厚さが倍くらいあるトルクのあるゼンマイです。
地板には、商標とANSONIA CLOCK CO の文字のほか、PAT'D MARCH 27, 77 とありますので、
1877(明治10)年3月27日に特許を取得した機構のようです。
凝った設計は時打ちの早送り機構にも見られ、鈴の柱をくりぬいてその中にスプリングを仕込んでプッシュボタンを配置しています。
現在その部品は失われており鈴を外して爪楊枝でちょちょっとやれば早送りできる状態です。
明治の時計修理に慣れていない時代に川上村(どこにあるんでしょうか?)の和洋時計修理所が苦労して作業していた様子が思い浮かびます。
文字板裏の修理履歴
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裏蓋内側の修理履歴
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アンソニア1886年カタログより
ヘソ目各種
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