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八角型 テンプ振

3. 駅逓寮の八角時計 【米国セス・トーマス】

資料1

駅逓寮の八角時計

米国 Seth Thomas 製

メーカー 製造年代 大きさ 仕様・備考
セス・トーマス(米国) 明治7〜9年 全高27.5cm、文字板八吋(直径21cm)、厚8cm 毎日巻、 テンプ式、 打方なし

駅逓寮と焼印のある初期の八角時計はすべて同一タイプの片側時計、一種類で、 その後一般に普及した時打ち付きの八角時計とは異なります。 郵便業務用として特殊な理由があったのかもしれません。 八角、ボンボンで打ち方のない時計は、日本では国産を含めて駅逓寮以外では普及しませんでした。
また駅逓寮の八角時計には、逓信博物館にも有るように、駅逓寮の焼印時計で文字板に「駅逓局」の名前の入ったものが有り、 これは、名前の改称時に書き換えたものではないかと思われます。

長い歴史の中の生き証人ですが、これらの官給品は廃棄時には台帳に照らし分解されて処分されたと言われていますので、 残っているものが少なく、大切にしたい貴重な日本の文化財です。

ケース

背板のラベルと駅逓寮の焼印

八角の寄せ木造りの上にrosewoodの薄皮を表面に張りつけた一般的なタイ プでシンプルな上の山の低い独特のアールをしている。 裏板に白地黒文字でONE DAY LEVER SETH THOMAS のラベルが貼付され左側隅に小判型の中に駅逓寮の文字の焼印有り。

機械とケース内部

SETH THOMAS THOMASTON CONN

時方の歯車5枚のみで打ち方は付いていない。 ゼンマイ日巻、チラネジ付(3箇所)円天府、アンクル爪は楔形鋼製地板、歯車とも真鍮製(カナ鋼) 地板は四か所のネジ止でSETH THOMAS THOMASTON CONNと刻印有り。
ケース内部には、多くの修理歴の書き込みが有る。判読不能のものもあるが、古いものでは明治13年の記入を確認できる。

文字板

8吋(直径21cm)

厚めの一枚プレス板(ワンピースダイヤル)、ローマ 数字ペイント文字板。
12時の下の切れ込みに緩急針が付きFSの記入とその下に駅逓寮の手書き文字あり。6時の上に小秒針が付く。 ハート針、分針ピン止<、3時と4時の中間内側に鍵穴が一つだけ付く、片側時計と呼ばれる打ち方の付かないタイプ。(time only)
ガラス枠は内側に全周ガラス押さえの付いた真鍮枠。

資料2

二個の個体の比較

もう一つ、駅逓寮の八角が見つかりましたので、二つを比較してみます。 大きさや各部の仕様は、まったく同じです。 背中を合わせるとぴったりです。 「駅逓寮」の文字板の大きさが少し違うだけで書体はそっくり、同じ人が書いたと思われるほど似ています。 機械もまったく同じです。

文字板の駅逓寮の文字

裏のラベル

駅逓寮の焼印(ハッキリしている)

機械

駅逓寮八角時計の通達文書原本

明治7年春に配備された八角時計に添えられた通達

明治7年6月25日

通達のコピー(全体版)

現在なら子供にも分かるようなことを丁寧に説明しているところが面白い。

セス・トーマスのカタログより(SETH THOMAS CLOCK Co. 1879)

"Time"は、片側(時のみ)。"Time , Alarm"は、目覚付き。"Strike , Alarm"は、時打ちと目覚付き。 トーマスの八角レバーはアラーム付きまであります。

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