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特殊用途・機能

9. 燈光置時計

燈光置時計 減価発売広告

石原久宝堂
大阪市東区南久宝寺町浪花橋筋南入

この燈光置時計はもっとも斬新の意匠になり実用と装飾と両効兼備の発明なり 台は純良ニッケル金にて中に精巧の時計機械を装置し一回ネヂを掛くれば一昼夜二十四時間は普通時計の如く運転して正確に時を示す 上は卵形舶来上等摺硝子に上下周囲に優美の花紋を彫刻し中央には一時より十二時迄時計の字文を描き指針を中間に挿入して器械の 回転に伴ひ此傘自然にめぐりして時を示す・・・

某氏が骨董市で牛丼一杯より安い値段で入手したとされるチラシの中にこんな時計がありました。 明治時代の心斎橋石原時計店のチラシですが、なかなかの意匠の珍品置時計です。 しかし、どこかで見たような・・・

燈光置時計の話

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明治34年11月1日発行の大阪高麗橋3丁目 檜尾商店の通販のカタログです。 燈光時計の類似品が載っています。 又同じカタログに「安全蝋燈」と言う広告も載っています。 どこぞの先生の考案となっていますが、この燈火器は英国ビクトリア女王の時代に枕元の常夜灯のような用途に使われた「フェアリーランプ」と言って、 可愛い小型燭台の様なもので完全に外国製のパクリです。

カタログの製品は国産製品と思われますが、足の付いた台座の部分にパラフィン(蝋燭)を入れて円筒形のホヤを被せます。 火をともすとホヤのカットや絵や模様があるとそれらが浮き上って見え、とてもロマンチックな燈火器です。 同じような構造で時計仕掛けとしたものが「燈光置時計」と言う事になるでしょうか。 これらも色んな製品(OEM ?)が有る事が分かります。

フェアリーランプに石油(蝋燭)ランプの台座を付けて機械仕掛けにしたと言うのが燈光置時計らしいですが、 残っているものが少ないようですのでどちらもあまり売れなかったのでしょうね。 こちらもパクリで似た様なものが外国にあったのでしょう。 戦後の「燈光置時計」にスイス製のIMHOFのナイトクロックがあるのは記憶に新しいところです。

燈光置時計の実物をご覧になりたい方は、 「神戸らんぷミュージアム 神戸市中央区京町80番 クリエイト神戸2・3F」に展示されているそうです。

燈火器 (参考)

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国産の燈火器 SAFETY-LAMP

製造元 東京山清

未使用なのでとてもキレイな状態です。 取っ手が付いているので持ち運びが可。 カットガラスで植物模様が描いてあります。

写真提供 ペガサスさん

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