10. 精密型 YANAGI KEIKI CO., LTD.
資料1 メッキ枠
|
Manufacturer | Date of Object | Dimensions |
---|---|---|
YANAGI KEIKI CO., LTD. TOKYO. | Unknown | 25.0 x 11.5 cm |
それまでのアネロイド気圧計の欠点を克服し、 各種の誤差をできるだけ取り除くような機構になっているので振動の多い船上でも狂いが小さい、進化した精密型のアネロイドバロメーター。 本家の舶来品を探してもここまで堅牢な製品は見当たらず、最強とも言える昭和20年代後半(推定)の柳計器製です。
硝子縁はねじ込み式、枠は希少なメッキタイプで、グッと引き締まって見えます。(だたしメッキは薄いので耐候性に難あり、傷み易い!) 目盛盤は、mmHg と mb で、インチ表示はありません。
|
|
|
|
|
機械は押しバネを使って三箇所でケースにマウントしてあります。 機械の底の円周のギザギザ部分に何かをひっかけることで機械全体を多少回転させることができ、 指示の微調整が可能です。
|
|
|
|
|
資料2 ペイント枠 昭和30年
|
Manufacturer | Date of Object | Dimensions |
---|---|---|
YANAGI KEIKI CO., LTD. TOKYO. | August, 1955 | 25.0 x 11.5 cm |
この気圧計の目盛盤は、mmHg , mb , inHg と三種類の目盛りがあるので、頭のなかで複雑な変換をする必要がなく大変便利です。 気圧を正確に読み取るには、読み取りの前に示度を落ち着かせるために目盛盤のガラス板を軽くトントンと指先でたたきます。 次にパララックス(視差)をなくするために、目と示針を結ぶ線が目盛盤に垂直になるようにしますが、 この気圧計の場合は目盛盤に鏡が付いているので、片目をつぶって示針とその像が重なるところで読み取ります。
資料3 ペイント枠 昭和41年
|
Manufacturer | Date of Object | Dimensions |
---|---|---|
YANAGI GAUGE & INSTRUMENT MFG. CO., LTD. | September, 1966 | 25.0 x 11.5 cm |
資料2とほぼ同じタイプですが、10年ほど若いため状態も良いです。 会社名が YANAGI GAUGE & INSTRUMENT MFG. CO., LTD. に変わっています。
目盛盤は、mmHg と mb で、インチ表示はありません。 革製の持ち運び用ケースに入って保存されていました。チャックがボロボロで今となっては持ち運び出来ませんが・・。
当時の資料
参考文献 : 「実地応用のための気象観測技術」
地人書館 昭和38年9月発行
船舶では風浪やウネリによる動揺と、エンジン等による船体の振動のため特殊なマリン型水銀指示気圧計や船舶用アネロイド気圧計を使っている。 図に示すものは精密級の船舶用アネロイド気圧計で今までのものと違い、 主枠に洋銀製空ごう3枚を1組として相殺方向に2組装置して、動揺等による加速度誤差を原理的に除去してある。 またバイメタル装置により温度補正をして、指針軸についているピニオンを中心に2枚の平歯車を相殺的に装置し、 指針に円滑な回転を伝導する。 主枠と筐の結合は回転軸受式にして、零位修正の場合は筐体裏面から主枠の円周に刻まれた櫛歯を回転させる事により特性曲線に変化を与えないで修正する事ができる。
参考文献 : ENCYCLOPEDIA OF METEOLOGY「気象の辞典」
東京堂 昭和29年発行
PR
前頁 ・ 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 / 14 / 15 / 16 / 17 / 18 / ・ 次頁