3. DAI NIPPON K.T.K WORKS Co.
資料 1 置掛兼用タイプ
DAI NIPPON K.T.K WORKS Co.,
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Manufacturer |
Date of Object |
Dimensions |
DAI NIPPON K.T.K WORKS Co.,
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大正期?
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13.5 x 5.0 cm
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DAI NIPPON K.T.K WORKS Co. と目盛盤にありますが、どのような会社なのかわかりません。
インチ表示もあり、時代は明治末から大正の雰囲気です。
国産の気圧計が出来るずっと前になりますので、輸入品に社名だけを刻んだものと考えられます。
壁に掛けることもできますし、
足がついているので、目覚時計のように置いて使うことも出来るタイプです。
ガラスの縁はとても幅広に面取りしてあり、それが独特の雰囲気になっています。
Flat brass axle
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海外製の気圧計コーナー紹介しているLUFFT足付(独)ムーブメントとそっくりです。
空ごうの開きを指針に伝えるまでの部材はフラットブラス(真鍮平板)で高級感はありません。
資料 2 木枠壁掛タイプ
DAI NIPPON K.T.K WORKS Co.,
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Manufacturer |
Date of Object |
Dimensions |
DAI NIPPON K.T.K WORKS Co.,
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大正期?
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18.0 x 4.5 cm
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国産ブランドには珍しい木枠です。
おそらく機械も木枠も輸入品で(おそらくLUFFT製)、目盛盤にブランド名のみ入れたものでしょう。
温度計の目盛りがありますが、目盛盤に温度計を取り付ける穴がありません。
目盛りはあるものの、もともと温度計無しで完成品として販売していたものと思います、なんともアバウト!
Flat brass axle
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ムーブメントは置掛兼用に搭載されているものと似通った部分がありますが、
メインレバーアームが追加されています。
資料 3 木枠壁掛タイプ
DAI NIPPON K.T.K WORKS Co.,
Continental aneroid movement with Self-Sprung Diaphragm
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Manufacturer |
Date of Object |
Dimensions |
DAI NIPPON K.T.K WORKS Co.,
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大正初期?
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16.5 x 4.3 cm
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資料1から3の中では一番古いと思われるもので、
空ごうの外部に板バネがなく、空ごうを構成する金属板の弾性によって指針を動かすSelf-Sprung Diaphragm と呼ばれるムーブメントを搭載しています。
このようなムーブメントが用いられた時代は1880〜90年代くらいでしょうか。かなり古い方式のムーブメントです。
外装で気づくところとしては、資料1や2と違ってガラスも面取り加工がありません。
温度計の目盛はペタンとハンコを押したような数字で、こういうものを水吹きすると高確率で数字が消えてしまうので、いじらないのが賢明です。笑
さて、どこが作ったのかという疑問ですが、
資料1から3の総ての目盛盤のDAI NIPPON K.T.K WORKS Co. の文字のO(オー)にウムラウト(横並びの2点「¨」)が付加されていること、
また、出てくるものに搭載されているムーブメントが色々であり、目盛があるのに温度計が付いていないなどのいい加減なものもあることから、
- ムーブメントだけ輸入して日本国内で組立てられたものではなく、ドイツの組立てメーカーが完成品を輸出していた
- その際に安価に入手できた旧型のムーブメントを組み込んでいたか、売れ残りの在庫品を商品とした
- 目盛盤のロゴは販売店の要請にあわせたものをアチラの感覚で刻んだ・・・
という気がしてきました。
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