12. 上野駅前地下鉄ストア大時計
上野地下鉄ストア
上野−浅草間に日本で最初の地下鉄が開通したのが1927(昭和2)年。 左の写真の「上野駅前地下鉄ストア大時計」は、地下鉄開通の少し後の昭和6年に国鉄上野駅前で営業を開始したストアです。 ビルの電飾時計は、文字板の12時と6時を中心にして左右対象に「地下鉄ストア」の文字が二度繰り返されています。 12時の文字は不鮮明ですが、"12"です。
世界一の大時計
東京上野の地下鉄ストアの建物の正面に取り付けてある大時計は、当時世界一大きい交流電気時計として有名でした。 その大きさは、時計全体の直径は20メートル、文字の大きさ2.5メートル、針の長さは、分針と秒針が6.4メートルで時針が4.8メートルでした。
東京地下鉄道株式会社遊覧課写真部の写真帳より
すっきり綺麗に写った地下鉄ストアと思ったら、なんと時計や看板類は写真に手書きで追加したようです。 写真はビルの一階がごちゃごちゃしていないことから、ビル竣工時でしょうか。 その写真に大時計や看板を手書きで加えた写真です。 ビル完成後にしばらくしてから大時計が取り付けられたと考えられます。
「東京遊覧バス」「東京ユーラン」「遊覧ピクニック」などの看板が見えます。 写真右の車は流線型三十人乗りで、サンルーフが付いて展望式遊覧車と呼ばれていました。 遊覧のコースは二重橋、靖国神社、東京駅、日本橋、明治神宮、赤坂離宮、国会議事堂、浅草、他のようです。
チラシ
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マッチラベル
すべてに「どこよりも良い品を どこよりも安く売る」の謳い文句を掲げていますが、 ストアーには九銭均一の売り場があったそうです。 今の時代の百円均一の先駆けですね。
地下鉄ストアと地下鉄食堂
世界一の大時計を取り付けてある地下鉄ストアとは一体何でせうか。 東京地下鉄道株式会社が地下鉄道のお客様は勿論、一般のお客様のために「どこよりも良い品を どこよりも安く」と云ふ事を標語(モットー)として売って居りまして、 ここには又食堂もあります。
又包装紙の贅沢なのや、無料配達や、演芸場等を省いてその代りそれだけ一層安く一層良い品を皆様方に使って戴くよう、又召上がって戴くよう、 それはそれは大変お骨折りになっておいでの様に聞いています。 初めは浅草に食堂を設けましたが地下鉄道の延びるに従って、アメリカに全盛の連鎖店(チェーンストア)にならってだんだんお店の数を増やして居ります。
参考文献 昭和初期の雑誌
(表紙等欠落のため本の詳細は不明)
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