15. 総体振時計 【アンソニア】
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このハンターシリーズには二種類の機械があり、一つは左写真の球形をしたballswingerと呼ばれるタイプ、 もう一つは右写真のtincanswingerと呼ばれる機械部分が目覚ましの胴のような格好をしたドラムタイプです。
ボールタイプの方が人気も値段も高く、現在多くの中国製のレプリカが氾濫しているのもこのタイプです。 この二つの時計は古くから国内の地元の時計屋さんに伝わったオリジナルで今出来のリプロでは有りません。 大きな振子状の機械がゆっくりと左右に揺れるため日本では総体振時計、外国ではSWING CLOCKとか、SWINGERとか呼ばれています。 見て飾って楽しめる時計です。
構造は上写真をご覧ください。 時計の内部の香箱上あたりに振子があって、その振子(錘)とタイミング(交差)によって時計は運動を続けます。 ブロンズ像を支点にして、左右に振れるので「総体振」と呼ばれます。 基本的に戦後のメイコー(名巧舎)などの国産機械もこれと同様です。
1900年前後のアンソニアのカタログより
明治33年大阪の時計商のカタログ「堀米商舗商品案内」より
「米国紐育府アンソニア時計会社製品 古銅色人物手振置時計」
大中小は同じ商品ではなくJUNO(28吋)とかDIANA(30吋)とかの類似商品の大きさの意味と思われます。
この資料を見て、こう言う物がほんとうに日本で売られ、そして使われていた事に驚きと感動を覚えます! 値段を見てください。明治30年で20円台。 掲載広告の国内カタログのハンターはドラムタイプですから、ボールタイプはもっと高かったものと思われます。 この時代、アンソニアのハバナが7円、国産のぼんぼんが2〜4円であったことを考えると、これは超高級品です。
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