19. BISHOP&LACEY LONDON
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Manufacturer | Date of Object | Dimensions |
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BISHOP&LACEY LONDON | Around the 1920's | 1.75 inches diameter |
両蓋懐中時計タイプの高度計で、海抜マイナス1,000フィートから10,000フィートまで計測できる目盛になっています。 両蓋もあるんじゃないかな〜という気がしていましたが、やっぱりありました。 リューズを押すと懐中時計と同様に表の蓋が開き、リューズをまわすと高度の回転ベゼルが操作できます。 英国製ですが、BISHOP&LACEY が計測器を扱っていたのか宝石店みたいなものなのか、そのあたりはさっぱりわかりません。
ケースの摩耗具合などから結構使い込まれた印象があります。 分解してみて気づいたのは、昔のメンテナンス職人がそもそもムーブメントへのアクセス方法を知らずに強引に分解していたこと。 この両蓋ケースの場合は、以下の手順でムーブメントを取り出すのが正解です。
正しい手順
- ガラス縁を外す
- 指針をとる
- 目盛盤と回転ベゼルをとる
- 裏蓋を外すと裏蓋に固定されたムーブメントが一緒に外れる
- 裏蓋へ固定しているネジを緩める
ところが、一般的なポータブル高度計のケースは裏蓋が外れないムーブメント投げ込みタイプですから、 おそらく職人はその先入観念があってムーブメントの取り出しは目盛盤側からと思い込んでいたのでしょう。 で、以下の間違ったハチャメチャ分解でいろいろとダメージを受けていました。
職人がやってた間違った手順
- ケースサイドのネジ4本を外す →作業不要(蓋のヒンジネジがばらけるだけで外す必要なし)
- ガラス縁を外す→ 〇
- 指針をとる→ 〇
- 目盛盤と回転ベゼルをとる→ 〇
- ムーブ固定ネジを緩めようとした→ 工具が入らないのでうまくいかず
- ガラス縁がはまっている内枠を外そうと格闘→ 圧入してあるためとれなかった
- 内枠に三か所穴をあけて針金で引っ張り上げる作戦にでた→ 不要な穴をあけたり(写真2の3,000フィートあたりにひとつ映ってます)枠を歪めたりしたものの外れた模様
- ようやく表側から固定ネジを緩めることができた
大変な労力を使って傷だらけにして頑張った様子がよくわかります。 よもや裏蓋が開くとは思わなかったのでしょう。 あまり作られなかったことに加え、こうした勘違いによる破壊が進んでほとんど現存していないのだろうと思いました。
ちなみに私は目盛盤を外した段階で、絶対に裏蓋が開くはずと考えたので、直に正しい手順で対応して そのうえで裏側からゆがんだ内枠を外してもろもろ修正しました。内枠は裏側からで押し出すのであれば簡単にとれました。 そもそもムーブメンテにおいてはとる必要はないんですが、笑
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