TIMEKEEPERのバナー

高度計 Altimeter

2. 山岳用アネロイド高度計 K.Hattori & Co LTD.

資料 1 金色側 K.Hattoriブランド

POCKET BAROMETER

COMPENSATED
No. 3801
K.Hattori & Co LTD.
GINZA TOKYO

POCKET BAROMETER
Manufacturer Date of Object Dimensions
Unknown Around the 1920's 7.0 x 2.2 cm

ダイヤルに服部時計店の名がある懐中時計の形をしたアネロイド式の山岳用気圧計。 気圧の変化は天気と密接な関係があるために気圧計を晴雨計と呼ぶこともあります。 英語ではバロメーターと云いますが、このバロなる語はギリシャ語の Baros から出たもので、之は重さを意味しています。 つまりバローメーターとは空気の重さを測る器械の意味です。 山岳用は、気圧の他に海面よりの高度を測るための対応目盛がついたもので、高度計(Altimeter)の名のほうが一般的かもしれません。

気圧計には、いくつか種類がありますが、携帯用や外洋を航行する船はアネロイド(Aneroid)気圧計を使っています。 内部に真空に密封された円盤形の容器(空ごう・チャンバー)があり、大気の圧力による容器のヘコミ具合を取り出して針の動きに変換し表示しています。

大気の気圧を測る単位は、現在はヘクトパスカルで表され日本もこの単位を使っていますが、 写真のものは、内周の42から78のセンチメートル表示が気圧目盛です。 外周の0から5000メートルの目盛は高度計で、この高度目盛りは高度と気圧の関係を求めた測高公式(ラブラースの公式)に基づいて目盛りを付したものです。 気圧が高度によって減じることを利用して高度を測定するものですが、気圧は所により、また天気によっても時々刻々と変化しているため、 高度計の目盛は回転式になっていて、微調整をして使います。

製造年代等について

時代はおそらく大正時代。この頃はまだ国産の気圧計が存在していません。 この高度計は英国製のものに K.Hattori & Co LTD. と販売店の名を入れたものと思われます。

資料 2 銀色側 K.Hattoriなし

ボタンをクリックすると拡大





POCKET BAROMETER

COMPENSATED
No. 2074

こちらは、銀色側でK.Hattori銘のないものです。 ムーブメントをみてもメーカーはわかりませんでした。

資料 3 銀色側 K.Hattoriブランド 革ケース付

ボタンをクリックすると拡大





POCKET BAROMETER

COMPENSATED
No. 4054

銀色側でK.Hattoriブランド、 淡いブルーの革ケースにはいっていたため側は状態はすこぶる良好です。

当時のカタログ

山岳用アネロイド晴雨計

Aneroid Mountain Barometers.
大正6年の銀座玉屋「玉屋商店商品目録」より

本品はアネロイド晴雨計と同一構造にして専ら山岳高低測量に供ずるものなり。

山岳用アネロイド晴雨計 定価表

大正2年玉屋商店「度器類及び気象器械類定価表」より

この時代はニッケル側の一般的な懐中時計が5円程度でした。 掲載の晴雨計は22円〜37円50銭ですから、たいへん高価だったことがわかります。

PR


左向きの矢印前頁1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 / 14 / 15 / 16 / 17 / ・ 次頁右向きの矢印