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時計錦絵

6. 当世十二時之内

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当世十二時之内

歌川芳虎筆、明治初期
36×24cm(大判縦1枚)

歌麿の「青楼十二時」の揃いものはさすがに外題に描かれた和時計も優雅で素晴らしく、 それを模したと思われる三代豊国の「春遊十二時」も不正確な時計の絵が多い中で外題ではありますが、 バランスのとれた櫓時計の優美な姿を見せているのも見どころです。

こういった遊女の一日の生態のシリーズものは人気が有ったと見えて明治まで手を変えて続いています。 浮世絵でも時計そのものを描いた作品は無く、いずれも画中の簡略な添え物的扱いが多いのですが 上記のシリーズは画の格調も高く時計も生きていますね。

ここにご紹介する「当世十二時之内」は開化絵で有名な歌川芳虎のもので、 やはり櫓時計型外題の中に「当世十二時之内卯之刻」という春遊十二時を模したシリーズがあります。 少しけばけばしく春遊十二時の出来には及ばないようです。

朝のせわしい辰之刻(7時 - 9時)、夜見世の始まる酉之刻(17時 - 19時)、一日が終わる寅之刻(3時 - 5時)、 夜が明けお客が帰っていく卯之刻(5時 - 7時)、こんな様子でしょうが、 深みのある絵なので絵の意味を詳しく知りたい方は吉原の歴史を調べてください〜。

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