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硝子枠

10. スズラン 【精工舎】

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No.1181 硝子ビースズラン

メーカー 製造年代 大きさ 仕様・備考
精工舎
SEIKOSHA
昭和初期 高 三寸三分
巾 六寸一分
文字板二吋
毎日巻ビー、 彩色硝子枠

彩色ガラス枠ビーのスズランです。 精工舎の花のデザイン枠では、外に薔薇、ひまわり、ダリヤなどがありました。 彩色硝子枠とは透明度の高い硝子をベースに部分的に表面をすりガラス(磨りガラス)状にしてその上に色付けしたもので 緑色っぽい色付けが多いためこれをウランガラスの発色と思っている業者さんもいるようですが、 彩色=ウランガラスではなく、逆に彩色にはウランガラスはほぼ存在しないというのが今まで実物を見てきた範囲からの私の見解です。

この時計の製造年代は昭和初期。 硝子枠の時計は関東大震災の復興期から売れ始め昭和10年頃が全盛期ですが 精工舎の硝子時計枠は江戸切子をルーツとした硝子職人「八重田常吉」の工場の独占でしたが 初めのうちはあてがいぶちの下請けであったものが、次第に常吉がデザインを考え次から次へ新型を興したということです。 この乙女チックなリンドウも常吉デザインでしょうか。 硝子時計というととかくウランが入っているか否かで値踏みされがちですが、 日本独自に花開いた文化であること、それは江戸切子をルーツとした硝子職人の手によるものである点に注目してもらいたいですね。

当時の資料より

No.1181 硝子ビースズラン

精工舎 置時計掛時計型録No.56 昭和6年9月発行

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