1. コロナクローム胴(内鈴目覚) 【精工舎】
メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
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精工舎 SEIKOSHA |
昭和12年頃〜昭和20年代 |
高 四寸 幅 三寸六分 文字板 三吋半 |
毎日捲き、内鈴目覚、紙製文字板 |
ビー系の機械を除けば、精工舎の目覚ましは概ね以下のように発展してきたと考えられます。
@ヘソ形目覚 → A数回打 → Bコロナ系
@ヘソ形目覚は国産最初の目覚ましとして活躍して息も長く、戦後も数年間販売されました。
A数回打の販売は戦前までと思われます。
Bのコロナ系の活躍は戦後まもなくから昭和40年代までですが、
この時計は、日本の目覚ましのデファクトスタンダードと言える「CORONAシリーズ」の最初の製品として戦前のわずかな期間、
ヘソ形目覚や数回打目覚INTERMITTENTの後期型と併売されてその後のCORONAシリーズにバトンを渡した製品と言えます。
特徴は、内鈴目覚ましと呼ばれる裏蓋内部に取り付けられた簡易的な鈴です。 裏蓋はよくある厚い鉄製ではなく本体と同じ薄い金属製で、 内側に鉄板のリンが取り付けられていてベルはその鉄板をたたいて音をだします。 文字板は紙製で、夜光文字板の製品も存在します。 おそらくこの時計が紙製文字板を採用した最後の目覚ましです。
側は、このクロームメッキ胴の他に色胴とよばれた軽銀(アルマイト)製の色付側があります。 現存するアルマイトの色は赤茶や紺でやや暗めの雰囲気のように見えるものが多いですが、 当時のカラー広告を見るととても鮮やかな色なので、もともとはきれいな赤や青だったのかもしれません。 クロームメッキはなぜか質が悪く剥げ落ちてしまうものが多いです。 持ち運ぶときの取っ手も省略された時計で、全体的に貧相な感じです。 精工舎製品ではこの時計から足の材質がアルミになったものと思います。(これ以前のものは真鍮)