11. 出張修理広告
各国時計職商 並 付属品種々
- 広告
- 「各国時計職商 並 付属品種々」
- 今般○便の為ご当地へ出張いたし各時計及び付属品成る丈け廉価を以って販売仕し・・・・
- 直し物値段左に記す
- 一 八角時計掃除 油さし共 金十銭
- 一 ブンブン時計 同 金拾五銭
- 一 金銀懐中時計 同 金弐拾銭
- 但しゼンマイ切れ硝子われ其他大損し物此限りにあらず
- 西京下京区第七組○丁
- 百田 本店
- 大阪府下堺区大町東壱丁
- 百田 支店
- 出張所
- 上市村
- 田村宿方にて
- 毎月出張仕候
各種トケイナオシ
時計店は古くから小売りと修理が営業の両輪でした。 まだ時計商が少ない時代、地方においてはこの広告の様に毎月、宿に泊まり込みで出張修理、販売していた時計商も有りました。 古い時代の時計修理料金表が興味深いですね。
ここでも早くから「ブンブン時計(ボンボン時計)」という言葉が使われているのが分かります。 薄手の和紙に木版墨摺りで住所は京都下京区(上京区)となっていますので、 明治12年3月郡区町村編制法に基き上京区、下京区を置、従来の区を組と改めた頃から明治22年に市制に移行する頃の時期と見られます。 両店ともいろんな地方を回っていたようですが時計商としての記録が定かでは有りませんのでご存じの方は教えて下さい。
時計が電気製品となって久しいですが、営業の両輪で有った時計商の修理も宝飾、眼鏡の方へ移行してしまいました。 時代の変遷とはいえ修理のできる時計屋さんが少なくなったのは残念ですね。