4. GREAT EMPIRE
メーカー | 製造開始年 | 大きさ | 主な仕様 |
---|---|---|---|
精工舎 | 1911(明治44)年 | 16型 |
アンクル式、16石 チラネジ付切テンプ、巻上げヒゲ 900銀専売側 二段瀬戸引き文字板 |
画像及び情報提供:ハッピーさん
当時の精工舎の紳士用懐中時計の品質水準を上げた時計で、とても数が少ないため幻の懐中時計と呼ばれる
「グレートエンパイヤ」です。
過去の研究資料では、上記パブリックと混同したのか、平ヒゲであるとか文字板に「GREAT EMPIRE」と
書かれたものは少ない等と書かれていますが、正式なグレートエンパイヤとは、 以下の全てを満たすことが条件であるようです。
- 文字板には「GREAT EMPIRE」と表記
- 16石、巻き上げヒゲ、切テンプ
- 角穴、丸穴車が磨き仕上げされ歯先はクラウニング加工
- 受けにダマスキン模様入り
「GREAT EMPIRE」は明治44年5月5日に服部金太郎が 指定商品を懐中時計として商標登録 していますので、文字板には基本的に商標「GREAT EMPIRE」が書かれていると考えるのが素直かと思います。
丸穴車、角穴車の丁寧な仕上げと |
グレートエンパイヤ |
製造開始年について
明治44年10月発行の「服部時計店営業一覧」に「精工舎製(瑞西式)十六形器械向爪アンクル石入器械 グレートエンパイヤ」
の記載があります。
明治44年1月発行の「服部時計店定価表」にはエンパイヤが「新キカイ」として掲載されており
グレートエンパイヤの記載はありません。以上からグレートエンパイヤの製造開始は明治44年と考えられます。
以下、明治44年10月発行の「服部時計店営業一覧」より抜粋
- ◎十八金無双側懐中時計 精工舎製(瑞西式)
-
十八金側七子又ハ梨子地無双
十六形器械向爪アンクル
金 六拾四円 -
同 石入器械
グレートエンパイヤ
金 六拾八円
- ◎銀片硝子懐中時計 精工舎製
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銀梨子地側カルメット式片硝子
十六形器械向爪アンクル
エンパイヤ
金 拾 円 -
同
グレートエンパイヤ
金 拾参円五十銭