9. 東京時計製 貯金函?
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「東京時計製造株式会社 製造」の銘板がついた雰囲気のいい木製の箱、貯金箱と思われます。 東京時計製造株式会社は吉沼又衛門時代ですので、時代は明治30年代後半あたりかと想定します。
上下の箱は独立しています。 下の箱は硬化投入口がありますので貯金箱でしょう。 前面がガラスになっていて、このガラスはスライドして中に洋館の広告を切り抜いたものが入っています。 これは後から入れたもののようで、時代はありますが、製造当時のオリジナルのものではなさそうです。
上の箱は謎です。 天板に丸い穴があり、ちょうどゼンマイを捲く鍵の大きさです。 中を確認したら何かが取り付けられていた形跡がありますが、機械らしきものは跡形もありませんでした。 ガラスは裏側から彩色してあります。 なにかのインジケータらしき丸が四つ並んでいますが、左から1000,100,10,1となっています。 一番左の1000の丸が赤になっていますので、貯金額が増えると赤丸の位置が変化するのだろうか・・・と思いましたが、 これは機械的に表示しているものではなく、ガラス絵で左だけ赤です。なので赤丸の位置は変化しません。 もっとも、上下の箱は完全独立していて何かの機構で連結されていた様子はありませんので、インジケーターには成り得ません。
背板には製品名らしきものと、発注者?が書かれていました。
- 手歌〇(〇は残念ながら読み取れず・・・)
- 横浜市西戸部町百六十九番地
- 園田商会
「歌」とあるので、上の箱にはもしかしたらオルゴールが入っていたのかも・・・と思いましたが、 箱が完全密封型なのとストッパー装置らしきものが見当たらないので、確信はありません。謎です。