8. 砲弾形貯金函
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戦中、貯金局が配った「郵便貯金百億円記念 砲弾形貯金函」です。 砲弾形をしたマグネシウム製の貯金箱の前面に貯金報国、裏に郵便貯金百億円記念、皇紀二千六百二年の文字が有ります。 前年に始まった太平洋戦争の影響でお金を貯めるだけでなく、お国のためにという時代色が濃厚に表れた貯金箱です。 説明書には貯まったお金を貯金するための取り出し方まで丁寧に説明されています。 服部時計店謹製でこういうものまで作っていた事が分かります。
説明書
戦局の悪化と物資不足を補うため、昭和16年の国家総動員法にもとずく金属回収令というものが発令され、官公庁、職場、家庭の別なく、 金属は根こそぎ回収の方向へ進みました。 「家庭鉱脈」という新しいキャッチコピーができて、鍋、釜からお寺の梵鐘まで供出され子供の玩具は木や竹になった時代です。
「マグネシウム屑地金の再生品でありますから金属回収には関係ありません」という文言はそういった金属供出事情を物語っています。