4. 並トランジスタ NT-309 【SEIKO】
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
---|---|---|---|
セイコー | 製造開始1958(昭和33)年 | 全高41.9cm、幅23.7cm、アルミペイント文字板18.0cm | トランジスター式、単一電池1個使用、秒針付き打方なし、木枠・ラッカー塗り |
通称「アトー式」と呼ばれている構造のトランジスター時計で、 セイコーでは打方なし秒針ありの製品を打方のあるソノーラと区別するように並トランジスタ掛時計と呼んでいました。
産業技術史資料情報センターの「クロック技術の系統化調査」によると、 世界初のトランジスタ駆動による電力伝達機構を備えた セイコーはフランスのレオン・アト社製 高精度電気式マスター壁掛けレギュレーター「ATO」の構造に強い関心を持って開発を初め この並トランジスタ時計を1958(昭和33)年12月に初出荷したとありますので、フランス製ATOの構造がベースであるということでしょう。
それまでの電磁振子時計で振り子によって作動していた機械式接点が、第2のコイルとトランジスタに置き換えられています。 このコイルは電流を受け取りませんが、中心を通過する磁石によって電流を発生させます。 この動作によって発生した微弱な電流がトランジスタを作動させて、 電池からコイルへと電流を流します。このシステムは、M. LavetとJ. Dietschによって発明されました。
この時計は打方のついたソノーラ発売以前のものと思われがちですが、 ソノーラとも併売していましたので、昭和40年代の前半までは販売していたのかもしれません。 なお、初期のものは文字板の商標がSEIKOSHAで、後にこの時計のようにSEIKOになります。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
ゲルマニウムトランジスタは低周波増幅用の日立2SB75が使われています。(写真8)