6. No.161 大角形長振 【精工舎】
|
写真提供 : チーちゃんのご主人
メーカー | 製造年代 | 大きさ | 主な仕様 |
---|---|---|---|
精工舎 (東京市本所区柳島町) |
昭和初期 | 全高135cm、文字板12吋 | 八日巻、特製機械、 セコンド付、三十分別鈴打、 木地塗 |
精工舎の標準時計には、分銅引きの定規時計シリーズがありますが、 こちらは大正10 年から登場したゼンマイ巻の標準時計です。
機械の構造は通常のボンボン時計に似ており、右が時方、左が打方になっていますが、 時方の歯車は4枚で通常のボンボン時計より1枚少ないです。 そのためでしょうか、ゼンマイはボンボン時計よりも弱いものが使われています。 振り子は長く重いのに、ゼンマイの力が弱くてすむのは意外ですね。また香箱にも入っていません。 最近オーバーホールしてくれた時計屋さん曰く 「ゼンマイが切れたら交換用を見つけるの大変だよ。ボンボン用で代用したらきっとすごい勢いで数打つよ。」 正時には渦鈴を数打ちしますが、半時には時方機構の後ろ側についているベルをチンと打ちます。
ケースは細かな彫刻が施されており、ガラスにはSEIKOSHAの金文字が入ります。 全面の扉は一枚で大きく開くため、留め金は上中下と3箇所ついています。 大正10年のカタログには扉ガラスにSEIKOSHAの金彩文字なし、大正15年カタログには金彩文字有り。 扉ガラスにSEIKOSHAの金彩文字入りは関東大震災以降のバージョンで、破風(上部の飾り)のデザインも若干変更されているようです。