9. WYLER WATCH CO.
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メーカー | 製造開始年 | 大きさ | 主な仕様 |
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WYLER WATCH CO. (スイス) |
1930年代(推定) | 16型 | チラネジ付耐震切テンプ、 巻上げヒゲ、 ルビー15石、 ステイブライト側、 金属文字板 |
スイスの時計メーカー、ポール・ワイラーは、1924年に弟アルフレッドとブランド「Wyler」を設立。 昭和初期はウヰラーと呼ばれていました。 1927年には、テンプのアームが水平方向の衝撃を減衰させる耐震装置の役割を果たす「incaflex:インカフレックス」の特許を取得しています。
この時計は、文字板に「UNBREAKABLE」とあるように懐中時計でありながら耐震性があることが特徴ですが、 耐震装置は旧式のS字型インカフレックスが搭載されています。 ここで私が注目したのは後のインカフレックスと違って天輪が切りテンプであること。 なるほど、インカフレックスは切りテンプでなくなってから、よりアームの長い形状が実現できたのですね。
切りテンプは補正テンプとも呼ばれ、温度変化による歩度の変化を避けるために高級ウオッチに採用された技術ですが、 後にエリンバー等の合金を使った自己補正ヒゲが発明されて切りテンプの必要性がなくなりました。 この時代は自己補正ヒゲが一般的でなかったため、切りテンプによる温度補正を前提とせざるを得ず、S字型アームとなったような気がします。 ヒゲの材質の進化によって切りテンプの設計上の制約がなくなり、 インカフレックスは理想の渦巻きを実現でき、完成を見たのかもしれません。(勝手な想像です)
設計者がインカフレックスの設計図面とにらめっこしながらら、切りテンプだしなーーと、頭を抱えている姿が目に浮かびますね。 (ほんとかなー、笑)
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当時の資料
ビルの屋上から懐中時計を落下させてテストしているかのような広告です。 インカフレックスではエッフェル塔の上から落下試験をやったとか、シチズンのパラショックもそういうテストをしていましたね。
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