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万年時計(萬年自鳴鐘)

2. 万年時計小史

参考文献 : 萬年時計の歴史 三代田中久重著、1960年

大正9年「時の展覧会」に出品された万年時計

時の展覧会の絵葉書

台は濤川惣助が七宝で補修

興味深いのは、写真下の説明文です。

「初代田中近江大掾久重 嘉永三年より三ヶ年を費やし(?) 京都に於いて工夫製作したるもの、 台の周囲はブリキ製のものなりしにより 腐蝕したるを以って濤川 惣助 〇して七宝を以って補はしめたり」

台の部分は、ブリキ製であったため腐蝕したから、濤川 惣助が七宝で補修した・・・と読めます。 濤川 惣助(なみかわ そうすけ 1847年〜1910年)は、無線七宝という技術を確立し万国博覧会で幾度も受賞、日本の七宝焼の技術力の高さを世界に示した人物です。 現在も迎賓館に作品群が飾られています。

戦前の科学博物館 時計陳列室

時計陳列室

The Room of the Old Japanese Clocks.

右に萬年時計や太鼓時計、左に尺時計、枕時計が見える。

昭和24年の分解、調査研究の様子

正面全景

機械部を上から見たところ

大きな車の外周の歯は365,内周の歯は361。

鎖引き装置

香箱

大きさ径15cm,厚さ10.5cm,
ゼンマイは真鍮で厚さ3mm,巾10cm,長さ3.5mで
香箱1ヶは約一貫(3.75キログラム)ある。

参考文献 : 時計とレンズ、昭和26年

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