3. クラウンファン
メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
---|---|---|---|
堀田時計店 (名古屋・東京) |
昭和30年代初期 |
文字板七吋 全高41cm |
アンソニア式8日巻機械、 二本棒鈴同時打、栃張りカシュー塗ケース、 アルミ文字板 |
堀田時計店の商標をかたどった扇形の鋳物鈴台に2本の棒鈴が嵌め込まれたユニークなスタイルで音も二本同時打ちで良い音がします。
八日巻きボンボン掛時計の最終形を見る様な雰囲気です。
その後手巻きボンボンは30日巻きが主流になり、その他電池時計や電気時計などが台頭して主流になっていきますので、
これはクラウンファン掛時計の後期型とおもわれます。
堀田時計店は会社沿革にも有るように明治30年代にアンソニアの機械を入れた組立時計を販売して好評を博しました。 戦前においてもカタログに有る様にHOマークの自社卸商ブランドで各種のボンボン時計などを名古屋メーカーのOEMで販売していました。 戦後に再建して昭和23年株式会社堀田時計店会社改組後は 名古屋の塚本時計製造所(※)と組んで早くも自社ブランドのクラウン時計を20年代から30年代にかけて生産販売しました。 この堀田時計店の塚本製クラウン時計は故障が無く、あまりに評判良く売れたため、 当時クラウンの商標を持っていた精工舎からクレームがつき、 やむなくクラウンファンと改称して以降商標も扇形のマークにN・H・T(名古屋、堀田、時計店のイニシャル)の文字をあしらったデザインに変わっています。
※ 塚本時計製造株式会社
佐藤時計出身の塚本正が昭和23年8月に掛時計の製造を開始し26年塚本時計株に改組、
創立以来堀田時計店に専属し、クラウン時計の製造元である。
アンソニア式八日巻機械 |
商標をかたどった扇形の鋳物鈴台 |
当時の資料
ポスター
昭和初期カタログ
天府振、グレシャム、スリゲルから大置スリゲルまで、HOマークの各種ボンボン時計がズラリと並んでいる。