3. 十吋鋲打(吉沼時計 初期)
十吋鋲打 部分的に目隠しされた黒字金彩ラベル
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初期吉沼の商標 |
メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
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吉沼時計製造会社 (東京市日本橋区) |
明治22年〜29年の間の前半 |
文字板十吋 全高56cm |
八日持 打方付 ペイント文字板(オリジナルでない) |
文字板はペイント10吋ですが、この時計はオリジナルでなく紙貼り文字板になっています。
この時計の文字板枠も渦巻状の段になっていて、これは吉沼の文字板に共通した特徴です。
ケースは
WATERBURYのYEDDO
をコピーした外観で渦巻状の鋲とその間にバンドが回っています。
振り子窓のガラスは二重丸金彩、中に少女の切り絵が貼ってありますが使用者が後貼りしたものでしょう。
掛金は小型一本釘小判型。
機械はWATERBURYの機械をコピーしたような機械で、地板に刻印は無し。(オリジナル機械)
ボン針台は後付けで新しいタイプに取り替えられている。オリジナルのボン針台にも刻印はありません。
振り子は吉沼の振り子は同様のものがすべてに使われているようです。
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振子室ラベルは黒字金彩で、良く見ると○○・・・の所に同じ黒い紙で上貼りして目隠し?されています。 ここに本来は前頁の八吋張四ツ丸と同様に「MATAEMON YOSHINUMA.」と入っているのではないかと見ています。 残念ながら友人の時計のためすぐにこの目隠しを剥がす事は出来ませんでした。 なぜ、いつ?このような目隠しラベルを上貼りしたものか意味不明ですが、吉沼の名前を隠したい理由が有ったのかもしれません。 この目隠しラベルは誰かのいたずらかとも思いましたが仕事が古く、 またそのようなラベルの存在は以前にも聞いた事があるので、多分メーカーの仕業?かと想像しています。 皆様のご意見をお聞きしたいです。特に同様の時計をお持ちの方は教えてください。
吉沼の時計は早くから輸出に力を入れていたとはいえ国内でもそこそこ販売されたはずですが意外と残っているものが少ないようです。 それはこのように名前が目隠しされたり、マークだけで名前の入ってない時計も多く販売されていてその認知度が低いせいも有るのかもしれません。 吉沼時計を探しに出かけましょう〜!
機械と振子
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