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経線儀  クロノメーター

1. 小型経線儀(標準時計)

メーカー 製造開始年 大きさ 主な仕様
精工舎 1935(昭和10)年頃 幅・奥行き 16.5cm
高さ 11.5cm
5days

経線儀、所謂マリンクロノメーターですが、これは小型で経度測定用というよりも時計屋さんの標準時計の類です。 底板にはマジック書きで「売買ならびに質入れするべからず 〇〇時計店」とありました。 本式の経線儀と比較してチープ感は否めませんが、 木箱入りでジンバルに載せられた5日巻きのずしりと重い時計は当時の技術力の結晶の如く輝いて見えます。

国産の経線儀が出来たのは昭和16年か17年あたりと考えられ、この小型経線儀は本格的な経線儀が出来る前の昭和10年頃の製品と考えられます。 精工舎の通常カタログには掲載されておらず、服部時計店測量器械部の特殊時計カタログに掲載されています。

昭和10年頃に服部時計店測量器械部で販売していた経線儀

経線儀(クロノメーター) 小型経線儀(標準時計)
ランゲ・アンド・ゾーネ社製 米国ウオルサム社製
トーマス・マーサー社製 瑞西ロンヂン社製
瑞西ナルダン製 国産精工舎製

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CHRONOMETER
SEIKOSHA
5 DAYS

木箱

オリジナルの塗りは木目が見えない茶色のニスでした。これがボロボロで箱の接着も外れていたので、ニスを全部剥離して天然のシュラックニスを塗りました。 傷みの酷い裏蓋部分はサドルレザーを貼っています。

当時の資料

4412 精工舎製小型経線儀(標準時計)

第十版 器械類型録 「第七篇 特殊時計」
株式会社服部時計店 測量器械部
昭和十年十二月廿五日 印刷納本
昭和十一年一月一日発行

本器も亦普通一般にクロノメーターと呼ばるるものなれども秒針の刻み細き為秒針が半秒飛又は一秒飛なる前記大型経線儀の如く截然たる時間の捕捉は困難なり。 然れども器械の極めて精密なるものなれば示時の正確なること無比にして船舶用、気象観測用標準時計として広く使用せらる。 ジンバル装置付の美麗なる木筐入なり。

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