1. TIMEKEEPER 20型
資料 1
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メーカー | 製造開始年 | 大きさ | 主な仕様 |
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精工舎 | 明治29年(1896年)頃 | 20型 | シリンダー式脱進機、5石、 ダボ押し剣廻し、 片硝子鉄側、 二段瀬戸引き文字板、鉄側 |
20型タイムキーパーは精工舎が最初に製造した懐中時計として有名な時計です。 古い文献では22型とありますが、最近の研究では22型は間違いで実際は存在せず、 この20型(機械の直径が45.11o)が最初の懐中時計とする説が有力のようです。
ここで紹介する20型は、以下の特徴を持ちます。
- 目をひく鉄製のケース
ケースの内側に12236 とその下に2?7の刻印有り - エトのTIME KEEPERの文字が二段になって書かれている
- 受けの型が「日本の懐中時計:江口茂著」に紹介されている6石機械と異なる
精工舎の懐中時計製造開始は、明治27年説、28年説、29年説とあり謎が多いですが、このような珍品に出会うと いっそう探究心をそそられます。
資料 2
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こちらも鉄側ですが、機械の様子が少し違って角穴車にカバーがついています。 「精工舎懐中時計図鑑:流郷貞夫著」では近年の研究から20型の機械は3種類紹介されています。
- 20-1型:5石、この時計の機械のように角穴車にカバーがついたタイプ
- 20-2型:5石、資料1の機械のように角穴車にカバーがないタイプ
- 20-3型:6石、分割受けで「日本の懐中時計:江口茂著」に紹介されているタイプ
写真提供 下関市のiさん