5. 頁16〜21
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三味線胴型男子用腕時計(腕革付)
どんな乱暴な取扱に対しても永く耐え得るは此時計の特徴であります。 従って本品は実用本位の時計として運動家活動家から非常な好評を博して居ります。
- 〔器械〕三六一番(七石入)
- 〔大サ〕3/0 サイズ
- 〔文字板〕金色又は銀色金属製支並に瀬戸支、普通文字又は夜光文字
- 〔側〕金張、銀並にニッケル側
(文字板及び時計側に就いては29頁を御参照下さい)
〔16頁〕
て部分によっては小供も造ります。 一家挙って時計の或る一部分の製造に忙殺されて居るのは能く見受けられる情景であります。 それは恰も洋服屋が上衣やズボンの裁ち下した束を他の多くの人々に送り出して、それ等に縁縫いやボタンの穴かがり、縫付けなどをさせるのと同じことであります。
鋼鉄や真鍮は時計細工の主要なる材料で、之等は種々異なった硬度や弾性を持って居るものであります。 各製造者の製品はそれらの要素に於いて夫々異なった性質を持って居ります。 従って若し多数の製造家によって何等一定した標準もない種々異なった金属で造られたならば、其時計の冶金学上よりする不調和は到底免れず、 殊に金属が温度の変化によって伸縮するの事実に想到する時は、実に思い半に過ぐるものがありましょう。 若し夫れ科学上より観る時は斯る時計が正しき時間を示し、規則正しく運転し行くと云うことの全然不可能たるべきは云う迄もありません。
されば吾々は努めて此問題を解決せねばなりません。是れが為めには吾等が時計に関する知識を啓発し、 無用の費を省きて「如何なる時計を買うべきか」てふ場合に至りたる時、真に理想的の品質を有し、標準となるべき良質の時計を選ぶべきであります。 【→ 19頁に続く】
〔17頁〕
丸型男子用腕時計(腕革付)
正確堅牢を旨として造らるるウオルサム腕時計の一つで軽快な感じのする実用的時計で簡楚な生活を標榜さるる諸君にふさわしい品で御座います。 言う迄もなく能率増進の第一歩は生活の単純化にあります。
- 〔器械〕三六一番(七石入)
- 〔大サ〕3/0 サイズ
- 〔文字板〕金色又は銀色金属製支並に瀬戸支
- 〔側〕金張、銀並にニッケル側
(文字板及び時計側に就いては29頁を御参照下さい)
〔18頁〕
現に於いてウオルサムの時計が所謂 "World's Watch Over Time" (古今東西に亘りて比類なき時計)であることを諸君に推奨すると同時に、 其の理由を明らかにせねばなりません。 抑々この時計はその材料及び構造に於ける改良と云い、その正確さその耐久性と云い、無用なる部分の省略に依る簡易な装置と云い、 其の堅牢にして而も美観を失わない点と云い実に時計学の歴史に於いて、全世界を通じて比類なき時計製造の典型であります。
七十五年余りもの間米国人の機械学的天才は、ウオルサム時計製造の上に常に最新の知識を応用して来ました。 此の進化の過程に於いて幾多の驚くべき改良が施され、革命的の発明が引き入れられました。 而して其の結果は最近の自動工作機械となり、其驚くべき能力と精密なる作業は、観る人をして思わず人類の精神の結晶、 創造力の偉大なるに賛嘆措く能はざらしむるに至りました。 嘗て手工業に依る時計製造家連をして、此の自動工作機械が爲し遂げる日々の奇跡的なる正確な作業によって極めて良質の時計を造り出すのみならず、 これによって造られたる時計の各部分は絶対均一で、同種類の時計に対しては何れにでも完全に適合するのを観て驚嘆の声を禁ずる能はざらしめしも蓋し当然のことであります。 更に当社の時計製造 【→ 21頁に続く】
〔19頁〕
三味線胴型紳士用腕時計(腕革付)
物好きから腕時計を持つ時代は既に過ぎ去りました。 其便利さは漸次理解されて今や日常の活動に欠く可らざる品として何人からも認めらるるに至りました。 本品は器械の正確完全なるは勿論側は高尚優雅にして紳士用腕時計としては申分のない品であります。
- 〔器械〕サファイア(十五石入)
五六一番(七石入) - 〔大サ〕6/0 サイズ
- 〔文字板〕金色又は銀色金属製支並に瀬戸支
- 〔側〕十八K又は十四K黄金、十八K又は十四K青金、銀並にニッケル側
(文字板及び時計側に就いては29頁を御参照下さい)
〔20頁〕
に従事せる技師職工等が如何に其職務に熟練せるかは、彼等が常に最も精密なる機械類を取り扱う結果、 常に驚くべき触覚力と視覚力とに発達せる特性を語るべき左の一小話によっても充分証することが出来ましょう。
或る自転車製造の工場に傭使せらるる一職工が、或るウオルサム時計会社の一職工に自転車の廻転部に装置すべき鋼鉄製ボールベアリングの一小球を示し、 其圓体の如何に精密で且つ端正なるものなるかを誇りました。 然るにウオルサム会社の職工はそれを手に取って検め且つ戲笑しつつ曰ふには、何故此小球をもっと正圓体に造らなかったのかと、 自転車職工之に答えるに正圓形の極致なる旨を以てしました。 現に於いてウオルサム職工が鉛筆を取り出し、球上に三点を書き、其等部分の球面より凹入し正圓体ならざることを誓言したる後、 マイクロメーターを以て検測しましたところが、其点は何れも一吋の一万分の一だけ半径の下に位し、其球の正圓体ならざることを発見しました・・・・・。
諸君も知らるる如く地球経度の子午線は英国グリーンウィッチを起点として、地理学者が算測して居りますが、 曾て此有名なる大英国政府管轄グリーンウィッチ天文台の時報に誤りありしをウオルサム時計によって糺正 【→ 23頁に続く】
〔21頁〕
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