5. どう云ふ組織で動くか
前に説明申上げたように機械を動かす原動力はゼンマイでありまして、 それから送られる力が五つの歯車からアンクルに順次伝わって天府輪をチャッチャッと廻転せしめるのでありますが、 此のチャッチャッと云う音は一秒間に五つ、一分間に三百の音を刻んで行きます。 又この五つの歯車は定まった歯数で製作されていて、(稀には歯数の違った機械もありますが)其の名称は一番車、二番車、三番、四番、五番車と称し、 五番車のことを俗にガンギ車と呼んで居ります。 一番車にはゼンマイの入っている匣が付いています。 又長針は二番車の軸に、短針は文字板の裏に日之裏伝車と云う特別の装置がありまして、長針と重なって付けられ、秒針は四番車の真(軸)について廻転し、 是等が相まって時を指示するのであります。
6. どうしてゼンマイは切れ易いか
ゼンマイは機械の構造にも述べてあります如く、鋼鉄に焼を入れたものを毎日毎日巻〆ても弾力に変化も無い程でありますから、 切れる位焼の堅い程弾力が強いのであります。 ですからゼンマイの切れるのは機械の良否には関係ありませぬ。 切れた場合は其の機械に適合したゼンマイを入れれば安全です。
7. どうして時間が狂うか
チャッチャッと云う音は一秒間に五つ、一分間三百と云うことになって居りまして、 それにより一つでも多いか少ないかしますと一日に四分四十八秒の時差を生じ、 二つ違う場合は一日に九分三十六秒狂うことになります。 こうした狂い(時差)の多くの原因は天府を助けているヒゲ(ヘヤースプリング)の故障から来るものであります。 どうしてヒゲが悪くなるかと申しますとマグネットに感触するとか、電車、汽車等の飛び乗り、飛び降り、自動車、オートバイに乗ったりして急に強い振動を与え、 又は落とした時、腕をよく使う競技をしますと、兎に角故障を生じます。 この外機械の中にゴミが入って運転を鈍らせ、天府の運動を妨げることが原因になります。 それならどれだけの振動に耐え得るかと申しますと、普通はタイプライターを打つとか、ピアノの鍵を叩く程度なら絶対に影響はありませんが、 腕時計をつけたまま其の手で球投げしたり、ラケットを振り回す等の過度の動作は時計を保全する上に於いて良い結果ではありません。
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