2. 十二吋グレシャム神戸銀行備品
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メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
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小栗時計製造所 (名古屋市中区) |
大正中頃 | 文字板十二吋 | 八日持、打方、ペイント文字板 |
アイデアル(T.T.式の時計振子吊垂装置の機械)搭載の製品としては初期のほうでしょうか。 ペイント文字板にコウモリの赤い商標と"IDEAL CLOCKS"やPATENTの書体、そしてガラスは吹きガラスを板状に加工していた時代の所謂ゆらゆらガラス、 木枠の上部には「Bank of Kobe」の文字。 これらのバランスが絶妙で平凡なグレシャムでありながら絵画のように見ていても飽きません。
手書きのBank of Kobeは神戸銀行のことで、木枠の横には株式会社神戸銀行の備品ラベル(写真4)が三枚ほど重ね貼りしてあります。 株式会社神戸銀行は、 昭和時代前期に行われた大蔵省の戦時統合政策によって当時兵庫県内に本店をもっていた銀行のうち、神戸岡崎・五十六・西宮・灘商業・姫路・高砂・三十八の7行が新設合併し、 昭和11年12月12日に発足した銀行です。 時計の製造年代は大正ですから、時代が合致しません。 おそらく合併した7行のどれかがもともと使っていた時計に神戸銀行発足時点で「Bank of Kobe」と書き込んだのではないかと推測します。
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