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掛時計の外形からの分類

時計業界では、腕時計や懐中時計のウオッチを小物(コモノ)といい、置時計や掛時計のクロックを大物(オオモノ)と呼びます。 オオモノの掛時計の分類の考え方は、日巻輪振など設計上で分類するか、外形で分類するかいずれかになります。
TIMEKEEPERでは親しみ易いように、外形での分類を基本としますが、 掛時計の外形からの呼び名は、定義がはっきりしていないようです。
大まかなスタイルの分類が有って、それにのっとって各社の商品名があるようですが、 古いカタログほど分類の原点に近いと考え、当時の資料を参考に以下のように分類しています。
なお、下表のスタイル分類に示す呼び名は、「スリゲル」等 何らかの外来語が転化した日本語とも思えるものがありますが、 あくまでも日本での呼び名です。

1. 八角型(レバークロック)

八角型

名の如く、側全体が八角の形をしていて最も古くより使用されている時計である。 明治初期より米国アンソニアやセス・トーマス製が輸入され、 明治7年、まだ時計の普及をみない当時に、全国の郵便役所に初めて配備されたのが八角型で、 改暦後の日本の掛時計普及のルーツに関わっているロマンのある時計である。 天府振りであるために、時計を動かしても止まらないという特性があり、魚船や小汽船用として多く使用された。 大きさは殆どが六吋、日捲きが基本で時間打装置が付いている。
日捲きは正確さを保つためには毎日ぜんまいを捲く必要があり、それが煩わしいことから、 屋内用の掛時計としての利用は時代とともに廃れていった。

外形からの分類>八角型 テンプ振

2. 八角合長型

八角合長型

八角の尾が短いものを一般にこう呼ぶ。

3. 八角尾長型

八角尾長型

八角の尾が長いものの呼び名
大きさは、6,8,9,10,12吋などのように文字板の直径(吋)で表す。
八角尾長型の中に兵庫という商品名の時計が有るが、これは日本で付けられた八角尾長型の商品名で 「八角に丸を黒く塗って際立たせたもの」の名称である。
花魁(おいらん)は後ろの髪型に丸い輪を付けていたので、八角に丸を黒く塗って際立たせたものを花魁の後姿の立兵庫から兵庫と名付られた。

4. 丸型

丸型

表側

グレシャム

グレシャム(裏側)

トーマス

トーマス(裏側)

丸時計の後ろに四角の箱を背負ったのがグレシャム、箱が丸く後ろまで通ったものをトーマスと呼ぶ。
精工舎の場合は、文字板のサイズが12,16,18,24吋とあり、12吋グレシャムが最もポピュラーであった。 名古屋等のその他の会社では10吋、14吋のサイズの製品もある。 その他、上記レバークロックの中に丸型(真鍮側が多い)も有る。 例えば、アンソニアのBRASS LEVER,セス・トーマスのBANNER LEVERなど。 秒針付のものは蟲付(むしつき)と呼ばれていた。

外形からの分類>丸型(グレシャム,トーマス)

5. 丸尾長型

頭丸型

頭丸型

巻物型

巻物型

剣丸型

剣丸型

丸型の頭に尾が付いたもの。頭丸型、巻物型、剣丸型

6. 角型

角型

表側

角グレシャム

角グレシャム(裏側)

外形が正方形に近い角型、角グレシャム

7. 四ツ丸型

四ツ丸型

米イングラハム社のElias Ingrahamが1860年にIonicと登録したデザイン。 外観からFigure Eight(8の字)時計とも呼ばれていた。
Ionic(アイオニック)とはギリシャ建築の柱の様式(イオニア式−柱頭の両脇に渦巻き形の飾りが付く)からデザインされたスタイル。
金四ツ丸、彫四ツ丸、寄木四ツ丸(Mosaic)、サクソン丸(Saxon:真鍮を張ったもの)等が有る。
四ツ丸は通称「ダルマ型」とも呼ばれているが、正式カタログ名ではほとんど「四ツ丸」が使われている。 明治期よりダルマという愛称が使われてきた事も事実で、それだけ人気の有った時計であることがわかる。

8. スリゲル型(スリゲール型)

スリゲル型 スリゲル装飾

外形からの分類>スリゲル型

長四角のケースで正面と側面にガラスの入ったものの総称。
文字板の大きさは6吋、8吋、10吋等であり、6吋及び8吋が多い。 側は黒柿、黒塗り等の上等なものが多く黒柿、黒塗等の上等なものが多く、古いものは宮形や 上下に擬宝珠(ぎぼうしゅ:俗にギボシ)がついた装飾の凝ったものが主流である。 スリゲル型の時計が作られ、またカタログ上で「スリゲル」という名称が使われていたのは概ね明治〜戦後昭和20年代位 までで、その後はカタログ上からは姿を消した。 但し、尾張時計などの一部のメーカーではスリゲル型の製造と「スリゲル」という呼び方が昭和30年代まで使われている。

※「スリゲル」という呼び名がいつまで使われたかは、メーカーにより時代に若干の誤差はあるが、TIMEKEEPERでは、 昭和20年代くらいまで(戦後まもなく迄)の長四角のケースに入ったものとしています。 戦後ものは格好としてはスリゲルの延長線上のものでも、スリゲルの言葉が死語になってきますので別物とします。

9. 変形型

変形型

外形からの分類>変形型

鳩時計、フクロ時計(重、ゼンマイ)など

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