5. TOKICO トラベラーウオッチ 【東京機器】
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メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
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東京機器工業(川崎) | 昭和21〜26年頃 (MADE IN OCCUPIED JAPAN) |
たたんだ状態
9.5p角×厚さ3p 三角に立てた状態 高さ9.5p |
真鍮枠革張ケース、 夜光金属文字板、 面取硝子 |
小型目覚まし時計が折りたたみサックに取り付けてあるものを、旅行用置時計あるいはトラベラーといいます。
精工舎では、昭和初期に高級目覚ましマーチ折革サック入が登場しましたが、値段が高すぎたためかほとんど見かけることはありません。
このTOKICOに刻印はありませんが、以前6時下に、MADE IN OCCUPIED JAPANの刻印の入った同じものを見た
ことがありますので、時代は戦後です。
旅行用置時計は、昭和30年以降にセイコー、シチズン、東京時計、スターレット、
ナドナドたくさんのメーカーが比較的安価なものを販売しました。
この時計の丁寧な作りを見ると昭和20年代はまだとても高価な時計だったと想像できます。
ケースはワインレッドの色の革張りで内側はサーモンピンク色の布が張ってあります。
革の色は他に黒と緑があるようですが、ボロボロになってしまうことが多い中、この時計は非常に良い状態を保っています。
文字板の夜光もとても丁寧に盛られており、針はブルースチールに夜光をのせてあり今でもバッチリ光ります。
硝子縁のカーブにあわせた凸硝子には面取がしてあります。
下画像にある鎖に繋がれた鍵で、時方、打方のゼンマイ巻上げと、目安、針回しを行います。
ちょっと面倒な気もしますが、鍵巻きの懐中時計のようで優雅でもあります。
昭和20年代の広告より
東京機器という会社の製品であることがわかります。 2,270円という定価はとても高価で、普通の掛け時計が2つ買えます。