8. 24時間シール
戦前の24時間制用に使われた貼付紙(シール)にも目を向けてみましょう。
掛時計(スリゲル)用 |
特許楠公式 置時計用数回打目覚・ヘソ目覚 共通 |
紙袋の中には24時制の数字の書かれた丸いシールが入っています。 糊付ぺったんシールを濡らして直接文字板の数字の内側に貼り付けます。
24時間制表示というものは古くからあるものですが、資料1の表に「鉄道が24時制となりました」裏に「戦時標語」が有るように
昭和17年10月11日の鉄道の24時制採用をきっかけに戦時中、一般に普及、流行したもののようです。
腕時計にも24時間制表示が刷込まれた文字板が有りますが、24時間制表示は国策でも有ったのですね。
資料1 : 時計貼付紙 東海銀行
時計貼附紙
鉄道ガ24時制トナリマシタ |
標語
一億の感謝で守れ兵の家 |
東海銀行の文字入り、これは銀行のお客様用の配り物のようです。
写真左から順に袋の表、裏、中身のシール。
シールは裏に糊がついていて切り離して使うタイプです。
上の大きい数字は文字板の大きさが10吋、真ん中は8吋の掛時計用、下の小さいのは目覚しや小型置時計用でしょうか。
資料2 : 廿四時間シール(実用新案願済壱弐参参六)
お家の時計は御自分で廿四時間制に直しませう 廿四時間シール(実用新案願済壱弐参参六) ●シールの裏に水を付けて貼り付けます ●二、三分でお子様にも出来ます スリゲル用 |
文字板の大きさによってスリゲル6吋用、ボンボン8吋用、12吋丸用10〜12吋など、シールの大きさの種類も有りました。
この袋にはスリゲル用と判が押してあります。
この写真は英工舎ヘソ目に貼られた24時間シール。 アンティーククロックには今でも文字板にシールが変色して残っているものや丸いシール跡だけが目立つものなどがありますが、 歴史のきず痕が見え隠れしているようです。