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腕時計のはじまり

1. 懐中時計を革のベルトで巻きつけた「腕巻時計」

腕時計のはじまりは、1880年(明治13年)に始まったボーア戦争の時に、 英国軍が懐中時計を腕に革のベルトで巻きつけて使った事が有名です。(※)
日本でも下の堀米商舗のカタログ説明にも有るように、「日清戦役、北清事変、日露戦争等に出征兵士より頻々ご用命を賜り・・・」 と当初やはり、懐中時計を腕巻き用の色々なベルトやサックに入れて使用し、軍用として発展した事がうかがい知れます。

日清戦争は1894年(明治27年)です。 国内に於いてまだ懐中時計の普及期である明治20年代よりこういった「腕巻時計」が使われ始めていた事は驚きです。

参考文献 「新案時計腕巻装具 明治・大正期」
日本アンティ−ククロック保存研究会

腕巻時計 明治42年

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明治42年

大阪、堀米商舗

本品は過激の動作は堪ゆるを以て日清戦役、北清事変、日露戦争等に出征兵士より頻々御用命を賜り 各師団等へ夥多上納せしものにて殊に自転車及乗馬用として最適の逸品なり
機械堅牢無比なる実用小形時計を精選し之を腕巻仕立ての正確なる方針付革具に納めたる極軽便のものなり

乗馬、自転車用腕革 明治33年

さらに古い明治33年の資料です。
国産と思われる「乗馬、自転車用腕革」が、甲 八拾銭、乙 六拾八銭、丙 五拾八銭と確認できます。 図版には時計装填硯箱、巻烟草入、香箱など変わった面白いものも載っています。

「吹風琴」の発明元とありますが、吹風琴は明治時代に爆発的にヒットしたハーモニカのような玩具です。

明治33年11月

東京日本橋3丁目、金鳳堂のカタログより

腕革用及貴婦人持時計 明治30年代前半

懐中時計を腕に巻くことによって振動などによる故障が多く苦労していた様子がうかがえます。

明治30年代前半(推定)

東京京橋、十字堂時計店

腕革に用ふる時計は七円以下の品許多あれども軍人自転車及び銃猟家の如き殊に繁動多き使用者には是等安価の品は 到底実用に適せず故に優等品のみ選抜せしものなれば価の多少高価なるとも実に之に困ると御諒知あらむ事を乞ふ

新式金具付ウデ皮 大正3年

大正3年

岸田商報

時計入れと方針を入れる箇所にニッケル製の金具を入れた新案品です。

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