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ワンダラーウオッチ

1. Westclox Pocket Ben 他

Pocket Ben

Westclox(U.S.A.)
1920年代(推定)

Pin pallet escapement

Rosskopf & Cie(スイス)
1910年代(推定)

左は、「Big Ben」「Baby Ben」という目覚時計で有名なWestclox社の懐中時計「Pocket Ben」。 懐中といっても超チープな時計で文字板は紙製、機械の構造は簡単で製作が容易なピンアンクル脱進機(置時計・目覚時計と同じ)です。 骨董市で100円で購入。 不動で長針欠品でしたが、機械はほとんど置時計のような感じなので簡単に分解でき、ヒゲゼンマイ修正にて元気になりました。 懐中なのにカチカチ音はトラベルウオッチか小型置時計のようです。 針送りはリューズを押し込んで行います。これは、一般的な懐中や腕時計のような巻真とキチ車、ツヅミ車で巻き上げるのではなく うまく表現できませんが簡易的な構造になっているからです。 文字板は真鍮の板に紙が貼ってあるものなので汚れが多いですが、いいアジでてます。 長針は同じデザインのものがなかったので、とりあえずで取り付けてあります。

右は、スイス製ロスコフ。こちらはエナメルダイヤルで機械はやはりピンレバーですが結構マジメに作ってあります。 文学者の林 芙美子さんは和装の時にスイス製ロスコフウオッチを身につけていたそうで、この時計に近いものでしょうか。 その和服と時計は新宿区落合の林 芙美子記念館に展示されているそうです。

ピンレバーは1868年にロスコフが最初に用いたためロスコフウオッチ、あるいは1ドル位で買える時計だったため ワンダラーウオッチと俗称され、またその他にも以下のような別名がありました。

  • 物産時計」三井物産が輸入したため
  • みつとまき」三百巻き、300回位巻かないと一日持たなかった
  • 三円時計」当時の価格が1ドル(三円)位だった

林 芙美子さんのロスコフウオッチに関する参考資料 :
目の眼別冊「オクルス」時計特集号の「文学者が愛した古時計」

アンソニア(米)製

写真提供 : おちょんさん

明治21年7月1日の新聞記事

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