1. SEIKOSHA Nardin 特製懐中時計
資料1 16石機械
メーカー | 製造開始年 | 大きさ | 主な仕様 |
---|---|---|---|
精工舎 | 1930(昭和5)年 | 17型 | アンクル式、ルビー16石、 チラネジ付切テンプ、 巻上げヒゲ、 18K無垢側、 三段瀬戸引き文字板 |
精工舎が最高級のポケット・ウオッチとしてつくったのがこの時計で、スイスのユリスナルダンとロンジンの長所を採り入れて
設計されているため、通称「セイコーシャ・ナルダン」とよばれています。
当時の資料では「日差僅かに十五秒以内」と正確さと耐久性を強調しています。
この頃の国産品は高級品として評価されなかったため、精工舎はこの時計を恩賜の銀時計に採用させるなど
需要拡大に努力したようですが、高価すぎてあまり売れなかったようです。
側の形状はパリー形のみ、材質はクローム、銀梨地、18金、プラチナの4種類があり、 さらに金とプラチナについてはそれぞれに標準品と厚側タイプがあります。 機械は16石入と18石入の2種類ですが、18石入はかなりレアです。
資料2 18石機械
ファインニッケル側で数少ないルビー18石、6ポジション調整の仕様です。 16石機械は日差15秒以内ですが、18石機械は日差10秒以内というさらなる高精度を実現していたといわれています。
骨董市で焼き物を売っていて時計のことは全く知らなそうなオヤジから五千円で入手。 機械は元気に動くけど、リューズを引いても針の早送りができない状態でしたが、 おろろさんに修理していただき、今は完璧です。
昭和7年8月精工舎カタログより「最高級ナルダン型懐中時計」
17形ナルダン型 薄手最高級セイコーシャ |
優良国産精工舎製品
優良な材料と精巧な技術とによって造られました精工舎製高級懐中時計セイコーシャは 厳密なる試験をなし欧米一流会社製品を凌駕する時計にして御使用の上は必ず御好評を 戴けるものと確信して居ります
右が17型 セイコーシャ(ナルダン型) |
17型 セイコーシャ の拡大 |
17型 高級懐中時計セイコーシャ | 円 | |||
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クローム側 | 十六石入 | |||
〃 | 〃 | 〃 | 十八石入 | |
〃 | 〃 | サファイヤ | 〃 | |
銀梨地側 | 〃 | ルビー | 十六石入 | |
〃 | 〃 | 〃 | 十八石入 | |
〃 | 〃 | サファイヤ | 〃 | |
18金側 | 〃 | ルビー | 十六石入 | |
〃 | 〃 | 〃 | 十八石入 | |
〃 | 〃 | サファイヤ | 〃 | |
18金側 厚側 | 〃 | ルビー | 十六石入 | |
〃 | 〃 | 〃 | 十八石入 | |
〃 | 〃 | サファイヤ | 〃 | |
プラチナ側 | 〃 | ルビー | 十六石入 | |
〃 | 〃 | 〃 | 十八石入 | |
〃 | 〃 | サファイヤ | 〃 | |
プラチナ側 厚側 | 〃 | ルビー | 十六石入 | |
〃 | 〃 | 〃 | 十八石入 | |
〃 | 〃 | サファイヤ | 〃 |
昭和9年12月「鎖と時計No.37」服部時計店発行より
ナルダン型の側の定価表
ナルダン型用「側だけ」の定価表です。
18Kとプラチナは1号側と2号側の二種類があり、目方が違います。
上の昭和9年12月の定価表にある「厚側」が2号側の製品と思われます。
昭和11年2月発行 服部時計店定価表No.74腕時計、提時計用側より
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