1. ファブルブラント獅子印一等品
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メーカー | 製造年代 | 大きさ | 主な仕様 |
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ファブルブラント FAVRE-BRANDT |
明治20年頃 | 外径6cm (22型) |
瑞西製機械、剣引き 本ニッケル二番ヨリ惣石入リ、15石 アンクル巻上ヒゲ 金張ハンティングケース |
ファブルブラント商会は、時計のほか紡績機械や兵器などを扱い、特に懐中時計は長兄エドワード・ファーブルペレが関係した
イギリス製やスイス製の時計、またゼニットの製品やナルダンのクロノメーターも輸入していました。
明治前期の有力時計商は殆んどファブルと取引をしていましたが中でも外神田の京屋時計店水野伊和造は特にファブルブラントの
販売同盟「京屋組」を作り、全国代理店組織によってファブル輸入の時計販売に努力をしました。
ファブルブラントの懐中時計は他の商館時計と比べて品質も高く、「ファブルブラント」の名前と等級によるマークが入っています。
※ ファブルブルブラント商会についての詳細は各種資料の商館時計コーナーをご覧ください。
【裏蓋内側の刻印】
上から |
【機械の刻印】 |
左下の画像は明治9年1月28日 東京日日新聞広告、これはファブルの比較的初期のマークです。
また、ファーブルブラント商会が明治10年に発行した「時計心得草」によると、懐中時計には獅子印が1,2等品、
蝶印(フォルタイン号)は3等品、無印がそれ以下となっています。
獅子印 |
攫獅子印 |
明治22年 東京市の田中時計本舗カタログではファブルは獅子印、攫獅子印、野羊印、蝶印の四種が載っています。
獅子印はここに掲載した懐中のマークである盾のようなものに寄り掛かった獅子が「獅子印」と思われ、
攫獅子印は攫の字は一攫千金のカクで「さらう」とか「つかむ」とかの意味ですが、
星に寄り掛かった獅子印がそれではないかと言われています。
明治22年 |
同 奥付 |
田中時計 |
以下は明治22年田中時計本舗の時計定価一覧表の実際の記載部分です。
おそらく左下の「金着せ側廿二形無双竜頭巻」がここに掲載の時計と思われます。