2. スイスタバン時計 特約店ホーロー看板
TAVANNES WATCH Co
鮮やかなマリンブルーの地に涼しげなタバンの文字にゴールドの懐中と腕時計のそろい組です。 スイスタバンは日本でも人気が有ったようでポスターなどの広告が多く存在していますがこちらはちょっと変わったホーロー看板です。
右下欄外にEMAIL ED.JEAN.PARISとありますので、本場パリの工房で作られた日本向けのホーロー看板で有ることがわかります。 琺瑯とは鉄やアルミなどの金属を下地にしてその上にガラス質のうわ薬(釉)を高温で焼き付けたもので、 現代では鉄ほうろうが一般的です。 金属の中でも特に銀や銅を下地にして作り美術品などに使われる金属琺瑯に七宝があります。 古代エジプトの有名なツタンカーメンの金マスクにもほうろう加工が使われているといい、 古くからの技法で有ったわけですが、本来の実用化が始まったのは19世紀のイギリスで鉄の錆び止として応用されたのが始まりといわれています。 20世紀に入ると大量生産方式が確立され新しい製品が次々と現れました。 英語ではエナメル、フランス語ではエマイユと呼ばれ各種の技法により懐中時計の側などにも多用されています。
国内では琺瑯看板としては戦後に屋外広告として普及して現在はそれらもレトロなアイテムとして人気がありますが、 このような戦前のホーロー看板は珍しく特に日本向けに日本語の入った外国製看板は少なく、 屋外看板というより店頭看板として用いられた珍品でしょう。
看板の時代考証
ホーロー看板に良く似た広告が、大正8年の月刊太陽に掲載されており、 看板の製造年代は大正時代と考えられます。