3. 天賞堂 カタログ
天賞堂営業一覧 明治33年
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明治33年の営業一覧。これが初版のようです。 懐中時計、掛時計、置時計、四方時計(塔時計の機械)まで網羅しています。
明治28年第四回内国勧業博覧会に出品した懐中時計は宮内省御用品で、値段は千二百円の超高級品。 機械はスイスに注文して3年かかって出来たものとありリピーターのようです。 18金側は加納夏雄氏が畢生(ひっせい)の力をこめて天宝九如の図を彫刻したものとあります。
四方時計時計塔機械はイギリス製、J.W.BENSON社のもので相当高かったものでしょう。 実際に採用された時計塔はあったのでしょうか?(実際はフランス製のモービエクロックの転用が多かったと思われます。)
この時代にもう代金引換小包郵便によるカタログ通販が行われていたことは驚きです。
天賞堂営業一覧 明治37年
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表紙に明治37年11月1日増補更訂とありますが奥付は明治33年1月1日1版発行、明治39年5月20日第15版発行となっています。 この辺になると印章から美術品まで多くの図版が割かれています。 蓄音器も現れてきます。(蝋管式と最新平円盤式)
天賞堂カタログ 明治40年以降
天賞堂変形郵便カタログ 昭和14年
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こういう郵便カタロが古くからアイデアとして使われていたとは、新鮮な驚きです。 中身を開くと羽子板型の短冊になってカタログが現れる、仕掛け本の様な珍品です。 正月用の髪を結ったお嬢さんの帯にお洒落な帯止めとカタログにあるダイヤ真珠入り鎖が輝いています。 その先にはきっとカタログにある18Kの懐中時計が納まっているんでしょうね。
売り出し口上に「世界の工業は欧州大戦の打撃を被り・・」と有りますので、戦争前夜のよき時代最後のカタログと思われます。