1. ANSONIA Drop Extra.
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メーカー | 製造年代 | 大きさ | 仕様・備考 |
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アンソニア (米国) |
明治初期 |
文字板十二吋 全高65cm |
八日捲き 打方付 |
この時計は、ANSONIA BRASS&COPPER COMPANY,1854〜78の時代のアンソニア社がニューヨークに移転する前の古いタイプです。
文字板枠に1870年のパテントの刻印が有りますので1870年代の製品です。
箱の裏に日本で使われていた事を示す住所名前の墨入れがありますので日本に明治の改暦後、初期に入ったボンボンと思われます。
ケースにはROSEWOODの薄皮が表面に貼って有ります。
文字板は一枚板でなく亜鉛版を文字板枠にハンダ付した一般的な12吋ペイント文字板です。
アンソニアのペイント文字板の特徴は純白に近い色で表面がよく卵の殻のようにひび割れて、全面に貫入が入ったものが多く見られます。
(文字板パテント刻印写真参照)
この特徴は初期アンソニアの文字板に共通していますのでオリジナルを見る参考になります。
文字板にはトレードマークは入っていないようです。文字板枠に
PATENT JULY 5 1870の刻印有り。
機械はトーマスに似たもので機械は背板に枕木を付けて止められています。
振子室の扉は上から下に開き、金彩のガラス絵が付きます。左右の袖に下向きの小型のギボシがアクセントになっています。
振子室ラベルは、コネチカット州にあった工場で作られたことを示しています。
アメリカ製12吋ボンボン時計の初期のものはいずれも舶来ボンボン時計の代表選手としての風格と貫禄があり、
地方では庄屋時計などとも呼ばれていますが、それだけ使われた所が限られていたという事でも有ります。
名脇役で紹介している
伊万里焼八角時計皿のデザイン
は或いは早くから入ってきたこのような12吋ボンボンを参考にしたのかもしれません。
針の形状も近似しています。
トーマスに似た機械
文字板枠のパテント刻印
振子室のラベル
「ANSONIA,CONN」は、コネチカット州にあった工場で作られたことを示し、1878年以前のものといえます。