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SEIMEISHA

1. 八吋張四ツ丸

メーカー 製造年代 大きさ 仕様・備考
SEIMEISHA
(東京)
明治20年代後半から30年代 文字板八吋
全高 49cm
八日持 打方、ペイント文字板

S.ITOケースと謎のSEIMEISHA

又一つ詳細不明の時計の紹介です。 八吋張り四ツ丸で、振り子室ラベルに見覚えあるラベルが貼ってあります。 精工舎で紹介した明治26年 S.ITO金箔塗装特許ケースのラベルです・・・が良く見ると、 SEIKOSHA YANAGISHIMA-HONJIOと有るところに SEIMEISHA TOKIO JAPAN となっています。(MANUFACTURED BY THE の文字はなし) 謎のSEIMEISHAの出現です。

文字板

八吋ペイント文字板

オリジナルと思われる

ハンダ付け亜鉛板文字板。 マークなどなし、センター飾環は三角形の細身。

機械

名古屋もの風にも見えますが詳細不明。 刻印なし、ボン針台もノーマーク。

振子室ラベル

May. 26th Year of Meiji
golden. FRAME
Patent
No.1911
S.ITO. Inventor
SEIMEISHA
TOKIO.JAPAN

これは東京浅草諏訪町2番地、時計商 伊藤新之助が明治26年5月取得した金箔塗装法特許を使用したケース、時計である事を示しています。 ラベルのデザインや書体は精工舎のものと類似していますがマークは入っていません。 SEIMEISHAという聞きなれない会社の所在地は東京です。

Meiji26NENMay St day.No1911

(Stは1stのこと、特許登録の5月1日を指してると思われる)

Patent Asakusa Tokio No.2 Suwacho Inventor. S.Ito

四ツ丸は金箔張りですが、側面や四ツ丸以外の正面は飴色杢引き塗装です。 上の硝子枠内側に彫刻文字入り。 彫刻した文字の中に朱を差していますので当初は表は金ぴか、裏は真っ赤と、かなり派手な意匠だったようです。 ラベルの上に東海道袋井駅前東通 時計眼鏡貴金属 伊藤時計店 電話ニ一九 11年10月9日のシールが貼ってありますが浅草の伊藤時計店と関係有るのか不明。 ラべル以外にもS.ITOケースである事を強調した珍しいケースです。 ラベルは似ていますが機械は精工舎ではなさそうです。 同じ刻印硝子枠の付いた WATERBURY の時計も知られていますので、伊藤独自の組み立て時計なのでしょうか?伊藤と SEIMEISHA の関係は? 何れ明治20年代後半から30年代の時計と見られますが謎が深まるばかりです。

振子と掛金

掛金

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